練習前後に補食を活用
補食も上手に活用している。練習前には、バナナやゼリー飲料など消化の良いものを、練習後はサラダチキンやプロテインバーなどで栄養補給。普段はお弁当+おにぎりを持ってくる選手も、朝練習で朝早いお弁当作りが大変な日は学校のカフェテリアで定食を頼むなど、保護者と相談しながら工夫している。コンビニもうまく利用している。
このように、パフォーマンスアップのために気を使っているが、実は甘いものが好きな女子高生。オフの時はファストフードやコーヒーチェーン店に足を運ぶこともある。「でもみんな、試合前は行きません。そこは考えています」と藤田選手が茶目っ気たっぷりに教えてくれた。
フィジカル強化で新たな自信
食事で土台を作った上で、今年力を入れてきたのはフィジカルの強化だ。昨年の今大会で、他チームに競り負けた悔しさから、こだわってきたポイントでもある。週1回の体幹トレ、期分けによって内容を変えた走るトレなど、地道なメニューに取り組んできた結果、心肺能力が高まり、ライン際で踏ん張れるようになった。
技術力はあっても、基礎体力がないことに気付いた選手は「黙々と走るなど自主練していました。その向上心には驚きます」と塩崎トレーナー。課題を1つずつクリアするたびに、選手は自信をつけてきた。
「ここで勝ったら真の日本一」「このメンバーで戦える最後の大会。悔いの残らないよう80人で一丸となって優勝を目指す」と3年生が口を揃えれば、2年の村田選手は「新しい歴史を作りたい」と力強い。
未来のなでしこが集結する大会は、初戦から厳しい戦いが続く。十文字の選手権は3日、中国第1代表の作陽(岡山)戦で幕を開ける。
【アスレシピ編集部・飯田みさ代】