3食+2食の補食で目標達成

WTB山村(77キロ)とロック片倉(101キロ)は「増量必須」グループだった。山村が「一気に量を食べられないので3食+2食の補食で目標数値プラス2キロを達成できた。オフは気が緩むけど、継続できれば増える。自分の気持ち次第」と振り返り、片倉がさらに沸かせた。「白ご飯を朝300グラム、昼500グラム、16時飯(よじめし=練習前の補食)500グラム、夜700グラム、夜食300グラム食べてました」と打ち明けると、どよめき。「700グラムを1時間半かけて食べてました」と照れ笑いも、今の学生会屈指のサイズを手に入れた。

寮長としてもチームに貢献した射場(写真左)と副将の山村
寮長としてもチームに貢献した射場(写真左)と副将の山村

その片倉に対し、山田さんが「もう、お互い意地。毎週毎週、面倒くさかったですよ。麺類を食べた日じゃない日のチェック表に、麺類を食べたとか書いてあって、あ、まとめて書いたな~とか」と笑わせつつ「でも徐々に強くなりたい気持ち、覚悟を持ってやってくれるようになった」と評価。実際、高校時代に3年間で20キロ増やした体重が、大学入学後の1年間だけで12キロも増えたという。片倉も「マンツーマンで半年間、指導してくださったので」と目を細めて頭を下げるしかなかった。

ジュニア世代のトレーニングについて話す藤野健太S&Cコーチ(写真左)と武井主将
ジュニア世代のトレーニングについて話す藤野健太S&Cコーチ(写真左)と武井主将

この後、ジュニア世代の鍛え方にも話題が広がり、藤野S&Cコーチがマイクを握った。何歳から筋力トレーーニングをしていいか? との司会者からの質問に「生まれたら、すぐ始めてください。この世に生を受けた瞬間から始まっている。(ハンマー投げの)室伏広治選手は生後3カ月で懸垂していた」と話しだすと、場内は大爆笑。「それは冗談として、まじめに話します」と切り替えて「小さいうちに筋トレすると身長が伸びなくなると言われてますよね。実は、そんなことありません。都市伝説みたいなものです。成長ホルモンを活性化するので、いいと考えられています」と説明。その上で「ただ、自重にしてください。バーベルなどの器具は、適切な指導と補助がないとベンチプレスなど危ない。鉄棒と地面があればできる、懸垂や腕立て伏せなどはいいと思います」と勧めた。

参加者と記念撮影した明大ラグビー部。左から、管理栄養士の山田氏、片倉康瑛、山村知也副将、射場大輔、武井日向主将、藤野健太S&Cコーチ
参加者と記念撮影した明大ラグビー部。左から、管理栄養士の山田氏、片倉康瑛、山村知也副将、射場大輔、武井日向主将、藤野健太S&Cコーチ

最後は、受講者をバックに「アスレシピポーズ」で記念撮影。武井、射場、山村の4年生は卒業後、国内最高峰のトップリーグでプレーすることが内定している。23年ワールドカップ(W杯)フランス大会への出場も期待される3人は「将来は日本代表になりたい」と声をそろえ、来季が最終学年の片倉は「今年は準優勝でしたけど、武井さんたちの代が残してくれた私生活を正すという文化を受け継ぎ、さらにレベルアップして次こそ優勝したい」と1年後への抱負を語った。終了後は参加者との記念撮影や握手にも応じ、刺激的な1日となった様子だった。【木下淳】

(2020年1月20日、ニッカンスポーツ・コム掲載)