1日6~7食、糖質とる様々な工夫
寺田は元々多くは食べられず、食べなければすぐに体重が減る体質。ラグビー挑戦時は「体を大きく」をテーマとし、47キロだった体重を60キロまで増やすため、補食含めて4~5回の食事で1日3000~4000kcalのエネルギーをとった。陸上へ復帰する際には「チームあすか」のメンバーに「もうあんなに食べなくていいよね。(食べる量を)減らしていいよね」と思わずもらした。
現在の練習は主に週4日。平日3日間は都内を移動しながら朝と夕方の2部練習で、走るトレーニングと筋力トレーニングを行っている。移動があるため、昼食はとらずに補食を数回挟んで1日6~7食。廣松千愛さん(27)と奥隅知里さん(26)の2人の管理栄養士の指示の下、「おなかが空く時間を作らない」と細かく栄養補給をする。
陸上選手として戦うために、筋肉量を増やしながら体を絞って56キロ。6年前からは10キロ近く大きくなり、世界のトップ選手と並んでも引けをとらない体格となった。
<寺田の平日練習日の食事例>
朝食
練習後=プロテインバー、バナナ、チーズ、ゼリーなど
移動中=ナッツなど
練習前=ゼリーなど
練習後=バナナ、ゼリーやおにぎりなど
夕食
約2年前、栄養サポートを受け始めた頃は、LINE(ライン)で食事写真を確認してもらい、アドバイスをもらっていたが、今は2人が作成した必要な栄養素とそれがとれる食品、食べる組み合わせなどを一覧化された資料を確認しながらチョイスする。
奥隅さんらは「明日香さんが好きなもの、食べやすいものでいいんです」として、コンビニの唐揚げでも良しとしている。「時間がある時は、移動途中で買って食べるようにしています!」。好物の話になると、寺田の声のトーンが一段階、高くなった。
【アスレシピ編集部・飯田みさ代】
■陸上女子100メートル障害の東京五輪への道 出場枠は各国最大3枠。6月の日本選手権(大阪)で3位以内に入り、同大会までの対象レースで参加標準記録(12秒84)をクリアした選手が優先的に選出される。6月29日に第1次内定選手を発表予定。
◆寺田明日香(てらだ・あすか) 本名・佐藤明日香。1990年(平2)1月14日、札幌市生まれ。小4で陸上(短距離)を始める。恵庭北高では高校総体100メートル障害を3連覇。北海道ハイテクACで競技を続け、日本選手権3連覇、09年世界陸上に出場するも、13年に1度現役を引退。16年12月の日本ラグビー協会のトライアウトに合格し、17年1月から日本代表練習生として活動。18年12月にラグビー引退と陸上への復帰を表明し、19年日本選手権は3位。同年9月の富士北麓ワールドトライアルで12秒97の日本記録を更新。家族は夫と1女。168センチ、56キロ。O型。