休校中も成長を感じた「母の日企画」
部活ができない中で、気付いたこともある。10日の母の日に向け、ある選手が「母の日に、どう感謝を伝えるか」を議題に挙げたところ、32人の部員から趣向を凝らしたアイデアが続々と集まった。
花やケーキなどのプレゼントに始まり、昔ながらの「お手伝い券」で肩もみ、洗い物、草むしり、料理などの家事を行うものや、歌の熱唱、母とのキャッチボールなどもあった。
菅澤監督は「こちらの期待を超えるものばかりでした」と驚き、この期間でも選手が成長していると感じたという。「毎年、この時期の野球部は県外遠征があり、去年は10連休で16試合が組まれていました。夏の大会前の大事な強化期間であることは間違いないのですが、今年は今年で有意義な時間だったのかもしれませんね…」。
何のために高校野球をやるのか―。菅澤監督が普段からミーティングで選手に教え説いていることを、野球部でもう一度考えるきっかけになった。
それでも選手たちは、早期の部活再開を待ち望んでいる。
「野球ができなくて落ち込んだ時期もあったけど、(オンラインで)仲間と頑張ろうぜ、乗り越えようぜって言い合っていたら前向きになれました。夏の大会が開催されたら、学校の友達に見に来てほしいです」。三木は祈るような声で、チームメートの思いを代弁していた。【樫本ゆき】
◆神奈川県立市ケ尾高校 1974年、「高校百校新設計画」の一環として創立。生徒数1184人。男女バスケットボール部、ダンス部も有名。野球部のモットーは「Let's play baseball」。部員32人(3年=12人、2年=17人、1年募集中、女子マネ=3人)。小林達也部長。菅澤悠監督。