未経験から全国3度のバレー部監督に
「まずは体脂肪15%を目指そう」。9日、高橋監督は新入生に初めて食事の大切さを説いた。栄養に関する専門的な言葉も、分かりやすく説明する。選手たちは興味深く耳を傾けた。
「教えることは学ぶこと」を信念に指導してきた。高橋監督は霞ケ浦高の現役時代は、エースで主将。日本体育大を卒業後、母校の教員に採用。最初は男子バレーボール部の監督に就任した。「バレー部で指導したことが今につながっている」と振り返る。当時、バレー界ではすでにトレーナーをチームに招き、トレーニングも最先端の指導を取り入れていた。バレー経験のない高橋監督は、一から指導方法を勉強。19年間で3度、全国大会に導いた。
01年4月から野球部の監督に就任しても、学びの姿勢は崩さず。野球指導者講習会を5年連続で受講。立命館大スポーツ健康科学部、海老久実子教授の講習を聞き、食育に目覚めた。海老先生の本を熟読、選手たちに食事の大切さを説いてきた。「19年間、バレーの指導で遠回りしたかもしれない。でもその経験が生きている」。敗戦の原因は「指導力がないから」と、日々努力し勉強。「1球には意図がある」と深く探る。学び続ける高橋監督が率いる霞ケ浦は、常に進化し続けている。
◆霞ケ浦 1946年(昭21)創設の私立校。開校時は男子校、04年から男女共学。野球部は46年創部。甲子園は春1度(90年)、夏2度(15、19年)出場。OBにオリックス根本薫、広島遠藤淳志、鈴木寛人。レスリング、ヨット部、男子バレーボールなども強豪。所在地は茨城県稲敷郡阿見町青宿50。
◆高橋祐二(たかはし・ゆうじ)1959年生まれ。茨城県出身。霞ケ浦高から日本体育大。大学卒業後、母校に赴任。バレー部を経て01年から野球部監督。保健体育科教諭。
(2020年6月22日付、日刊スポーツ紙面掲載)