自粛中は気分が上がるメニュー続々
数々の制限が加えられ、閉塞感が漂う中、選手たちの唯一の楽しみは食事だった。山田さんは選手たちの気持ちを盛り上げるため、それまでの大量調理では難しかった手の込んだメニューを組み込んだ。「人数が少なくなったので、できたこと」と山田さんは言うものの、箸本が「自粛期間中のご飯は、めちゃ豪華でした」と言うラインナップ。そのいくつかを紹介しよう。
(1)アメリカンディナー
選手が大好きなホットドッグ付きの夕食。この日の選手のテンションは相当高くなったという。
(2)炊き込みおにぎりランチ
調理スタッフは普段、ラグビー部110人と隣の棟で生活する他の部活生を含め、約150人分の食事を作っている。炊き込みご飯を提供する場合は茶碗によそって食べてもらう形だが、この時はおにぎりにして竹の皮や笹の葉にのせて提供した。
人気の豚汁と組み合わせて、ちょっとしたピクニック気分が味わえるようにした。
(3)ステーキ丼
自主練習後の昼食で、少しでもテンションを上げてもらおうとステーキ丼の提供を企画。いつも夕食に提供しているステーキをご飯にのせ、特製の手作り赤ワインソースをかけたところ、ソースが大絶賛された。
(4)ラーメン定食
選手たちはラーメンが大好き。ただ、「ラーメン+ライス+餃子」の組み合わせは炭水化物と脂質に偏り、タンパク質が不足する。普段は体脂肪が増えるため、このような組み合わせで食事をとらないよう山田さんは指導しているが、外食できない選手のストレスを緩和するため、寮で提供した。ただし、ラーメンは普通の麺の量の2/3にし、鶏肉料理、野菜、果物も加えてバランスの良いメニューに仕上げた。
(5)チーズバーガー、お好み焼き
調理時間が相当かかるので、人数が少ないからこそできたメニューだという。こちらも選手たちのテンションはMAXとなった。
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