1人1人を見て食事で体調管理
30年前から自宅で下宿生を受け入れている石原義生さん(73)、京子さん(71)夫妻。義生さんが作新学院弓道部OBという縁から過去にゴルフ、自転車、スキー、柔道などの部員も預かってきた。現在は、女子野球部員5人に他の生徒を合わせ計7人の朝晩の食事を夫婦で作っている。
「みんな食事を楽しみにして帰ってくるの」と笑顔の京子さんは家庭料理、義生さんは角煮や鉄板ハンバーグとこだわりの料理を担当。食べ盛りの下宿生が喜び、かつ10種類以上の野菜を入れられる献立を常に考えている。「『医食同源』の言葉があるように、医療と食事は同じこと。栄養素を消してしまう添加物を避け、いかに薬になるものを食べるかで体調は良くなります」と義生さん。
最も気を配るのは体調管理。鉄分不足で顔色が良くないときはホウレン草やレバーを使い、猛暑で夏バテ気味のときは食べやすい冷やしそうめんに。「1人1人の表情や食べ方を見ながら確認しています」と義生さん。おかげで貧血や口内炎、肌荒れがなくなった選手もいる。「食事のときに2人とコミュニケーションが取れるのもいい」とは、広田美憂選手(2年)。
石原さん夫婦の料理とその温かい人柄が、下宿生の心と体をポカポカに満たしてくれている。
◆作新学院 1885年(明18)下野英学校として創立の私学。1947年(昭22)、作新学院に。「一校一家」「自学自習」「誠実勤労」が教育方針。女子硬式野球部は2013年(平25)創部で、「アグレッシブなプレーで野球を楽しむ」がチームスローガン。U-18日本女子代表で活躍した関桃子内野手(愛知ディオーネ)は卒業生。学校所在地は栃木県宇都宮市一の沢1の1の41。
(2020年10月26日付、日刊スポーツ紙面掲載)