<2023年グルメ・トレンド予想>
アメリカの自然派食品スーパー大手「ホールフーズ」が、「2023年グルメ・トレンド予想トップ10」をこのほど発表しました。毎年恒例のこの予想は、米国のみならず世界的にも「当たる」と評判。商品そのものだけではなく、商品を選ぶ際に優先する世相も予測しているため、「数年後の日本」がわかる指標でもあります。
地球温暖化など、世界で起きている環境問題への対応が迫られている時代を反映し、来年は「サステナブル(持続可能)」を意識したものが多く取り上げられています。まずは「環境に配慮した食品」を5点紹介します。
環境に配慮した食品5点
●昆布の養殖
気候問題への意識が一層高まり、大気中の炭素を吸収することができる「昆布の養殖」が注目されると予想しています。昆布は成長が早く、淡水やエサを必要としない一方、栄養価は高く、多用途で使用できることも人気の理由に挙げています。すでに出汁(だし)としての利用だけでなく、麺類やチップス、魚醤などの食品に昆布が使われ始めており、環境に良い「Umami(うまみ)」として期待されています。
●目的のあるパルプ(製造過程の残りかす)
最新の市場調査では、消費者の3人に1人が週に1回以上、乳成分を含まない代替ミルクを使用しているといいますが、それらの製造過程で無駄な副産物が多く生まれています。ナッツやオート麦の残りかすを再利用する動きが活発になっており、その分野でイノベーションを起こそうとする企業も登場し始めています。パン作りに欠かせない小麦粉やベーキングミックスの代替品として、2023年は大豆やオート麦、アーモンドのパルプをアップサイクルした商品がブレークすると予想しています。
●鶏革命
アメリカでは、家畜の飼育過程でストレスを与えず、死ぬまで行動要求を満たす健康的な生活を送らせることを目指す「アニマルウェルフェア(家畜福祉)」が浸透してきており、鶏も「鶏らしく」あるべきと考える消費者が増えています。鶏卵や鶏肉の生産者は、アニマルウェルフェアの基準を平飼いからさらに発展させ、より自然環境に近い屋外で過ごす時間に重きを置く流れがきています。
●気候変動への配慮を明記した食品
気候変動に配慮することは、食の分野においてもかつてないほど重要になっており、食品や飲料水の生産における環境への影響を改善する取り組みを行う企業が増えています。消費者も、企業や小売業者に炭素や気候に関する取り組みを期待するようになった今、サスティナビリティへの取り組みを商品ラベルに表示することが重要視されています。
●愛犬にも最高のフードを
コロナ禍のアメリカでは、新たにペットを家族に迎えた世帯が2300万を超えると言われていますが、「ポストコロナ」へと移行する中で、リモートワークからオフィス勤務に戻る飼い主が増えたことで、ペットの健康と味覚への配慮がこれまで以上に重要視されています。ペット向けサプリメントや高品質のペットフードの需要は今後、より増えることが想像できます。