<2024年グルメ・トレンド予想>
アメリカのオーガニックを中心とする自然派食品スーパー大手「ホールフーズマーケット」が、「2024年のグルメ・トレンド予想トップ10」をこのほど発表しました。毎年恒例の予想は、商品そのものだけでなく、商品を選ぶ際の基準となる世相も予想しており、国内だけでなく、世界的にも「当たる」と評判。2024年は、食の視点から考えるSDGsを意識したものや、日本人におなじみのそば、インスタントラーメンなどにも注目しています。
●植物由来は本来の姿へ回帰
植物由来の原料を使って肉や卵、乳製品の食感や味、見ためを再現する「プラントベースフード」は、動物性食品の代替品として近年、人気を博してきました。しかし、最近はその配合の複雑さや商品名に植物由来であることが表記されていないなどの問題点も指摘され始めていることから、2024年はシンプルな植物由来の姿に戻ると予想。原点に回帰して、素材そのものを楽しむことが期待されています。
●カカオをまるごと使用
カカオは優れた抗酸化作用があり、動脈硬化など生活習慣病の予防にも効果があるとして人気です。とはいえ、チョコレートの原料として用いられるのはカカオ豆と呼ばれる種の部分だけ。それ以外の廃棄されてきた果肉や皮をまるごと使った商品が注目されています。皮をパウダーにしたり、果肉をゼリーやジャムに加工したり、カカオ全体を使うことで廃棄を減らす取り組みにもなると期待しています。
●そばを楽しむ
日本人にはなじみの深いそばですが、耕作に向いていない土地でも育つことから、土壌の健康を維持する被覆作物として海外でも人気が出ています。また、タンパク質、炭水化物、食物繊維を含み、グルテンフリーでスーパーフードでもある栄養面でも注目されています。小麦粉の代替品として、麺としてだけでなく、そば粉を使ったパンケーキミックスやクッキーなど加工品も多く開発されると期待しています。
●ファンシーな代替シーフード
2023年は魚の缶詰やキャビアが流行した1年でしたが、2024年はさらに進化して、植物由来の代替シーフードが流行すると予想しています。すでに、本物に匹敵する風味と食感を再現した商品が開発され始めており、トランペット茸(だけ)を使ったホタテやニンジンを使ったサーモン、根菜のこんにゃくなどを使った巻き寿司などプラントベースの魚介類に注目しています。
●水質改善・節水
SDGsの観点からも水に対する意識が高まっており、消費者だけでなく、企業も水質改善や節水に関する取り組みを強化し始めています。海水浄化としてカキを養殖するプロジェクトが推進されるなど、海洋生態系の回復に注目。また、ドライシャンプーや洗濯洗剤シートなど「水」を意識した商品の使用で環境問題への取り組みも期待しています。