暑い日が続くと、食欲も落ちがち。こんな時、子どもたちのために、スタミナたっぷり食材でパワーアップとつい考えてしまいますが、少し薬効がある食材に注目してみませんか?
今回のテーマは、薬効成分たっぷりの薬味。冷や奴やそうめんにちょっと添えるだけで見た目にも涼しく、爽やかな香味にホッと一息つけるのはうれしいですね。
私たち日本人にとって身近な薬味は、ネギ、青ジソ、ショウガ、ワサビ、ミョウガなど。それぞれに独特の味と香りがあり、料理に彩りを添えておいしさを引き立てます。
食欲が落ちる夏でも薬味があるだけで、食が進みます。また、食品の腐敗を防いだり、殺菌作用によって食中毒を防いで免疫力をアップさせたり、血行促進、疲労回復、滋養強壮の効能があることが知られています。
・・・効能 ・・・
■ショウガ
体温を高めて免疫力を上げる力があります。また、殺菌作用、解熱作用、消化吸収の促進、発汗作用、血行促進作用、冷え性改善作用などがあります。
使い方)
・煮物の仕上げにおろし生姜を加えると爽やかな仕上がりに。
・特にそぼろなどの肉類にはたっぷり加えると夏向きの味わいになります。
・この時期、食卓に並ぶと食欲が進むのが甘酢生姜。和え物に混ぜたり、サラダのトッピングに使ったりするとおいしいです。
■ネギ
消化促進作用、血行促進作用、解毒作用、発汗促進作用、抵抗力アップなどの効能があります。
使い方)
・トッピングできるものには、どんどん乗せましょう。和え物に混ぜ込むのもアクセントになりおいしいです。
・薬味サイズに切って保存袋に入れて冷凍しておくと味噌汁などの汁物に気軽に使えて便利です。
■青ジソ
鮮やかな緑色と、爽やかな香りが食欲を増進させ、殺菌作用や防腐作用もあるため、刺身などの生ものにもよく添えられます。また、アレルギー症状の抑制、動脈硬化予防、血液浄化作用、利尿・発汗作用、解熱作用などがあることも知られています。
使い方)
・香りが高いので、和食だけでなく パスタや中華サラダなどに使うと爽やかです。
・保存は、瓶に軸を上にして葉を入れ、少し水を入れてふたをし、逆さにして水に軸が浸かるようにして冷蔵庫に入れておくと長持ちします。
■ワサビ
握りずしや刺身に添えられていますが、これは味わいを増すだけではなく、ツーンとくる辛味成分に、強い防腐作用、抗菌作用、食中毒を引き起こす菌の増殖を抑える作用があるからです。
使い方)
・お刺身だけに利用しがちですが、マヨネーズやドレッシングに混ぜるとサラダやムニエルがひと味グレードアップ。夏向きに食べやすくなります。
■ミョウガ
ショウガ科の多年草。日頃私たちが食べているのは、花穂の開花前の部分です。消化を促進する作用、血行促進作用、夏風邪ののどの痛み緩和作用などがあります。
使い方)
・薬味だけではなく、味噌と共に焼き上げるとご飯の友にぴったり。
・冷たいお料理に添えるイメージが強いですが、味噌汁の吸い口に入れると香り豊かで夏にぴったりの味わいになります。
これらの薬味を上手に日々の食事に取り入れるには、使いやすい状態で冷蔵庫保存し、気軽に利用できること。買ってきた袋のまま置いておくと、万能ネギはすぐにしおれますし、青ジソは色が変わってしまうことも。
おすすめは、プラスチックコンテナなどの密閉容器に入れての保存です。
キッチンペーパーを敷き、水につけ、シャキッとさせた薬味野菜を入れ、上部にもペーパーをのせ、密閉して冷蔵庫へ。適度な水分の中で保存できるので、そのまま野菜室に入れているものよりぐっと長持ちします。気軽に使えて使用頻度が増えること間違いなしです。
今回は、食欲が出ない朝ご飯にぴったりの「薬味たっぷり豆腐メシ」をご紹介します。
具材は前夜に準備しておくと、朝はご飯をよそり、冷たい具材を乗せるだけで食べられるので楽チンです。ほんのり温かいご飯に冷たい豆腐を乗せるのがおいしいポイント。動物性タンパク質をプラスしたい場合は、シラスを加えると栄養満点です。