練習量が多くなるほど、鉄の必要量は多くなります。また女子選手の場合は貧血になりやすく、偏食しがちな選手は意識して取りたいのが鉄です。

 鉄には、吸収のよい動物性のヘム鉄と、吸収の悪い植物性の非ヘム鉄とがあります。といっても、鉄は人間にとって吸収が悪いため、毎日こまめに取りたい栄養素です。

 貧血になると、酸素と二酸化炭素が運ばれなくなり、疲れやすくなります。また血液は栄養素を運ぶので、貧血になると効率が悪くなってしまいます。

 血液の質をよくすることは、運動中のパフォーマンスアップだけでなく、効果的に栄養素を身体に取り込むためのポイントなのです。

貧血の食事の例(①主食②主菜=マグロ丼、③副菜=ディップ、④汁物=アサリ汁、⑥果物=オレンジ)
貧血の食事の例(①主食②主菜=マグロ丼、③副菜=ディップ、④汁物=アサリ汁、⑥果物=オレンジ)

<貧血の食事の献立の例>
①主食②主菜=マグロ丼
③副菜=ディップ
④汁物=アサリ汁
⑥果物=オレンジ

※アレンジするなら、主食、主菜=レバニラ丼、主菜=魚介のトマト煮、汁物=納豆汁、海藻汁

<材料と作り方(1人分)>

■マグロ丼 ごはん…200g(丼1杯)
A.酢…大さじ2
A.三温糖…小さじ1
マグロ…100g
納豆…1パック
シソ…2g
三つ葉…5g
ゴマ…大さじ1
ノリ…少々
醤油…少々

①ごはんにAを加えて、切るように混ぜる。
②シソはせん切りにする。
③茶碗に①を盛り、マグロと納豆をのせる。
④ゴマ、ノリ、醤油をかけ、②と三つ葉をのせる。

■ディップ
セロリ…30g
アスパラ…30g
ラディッシュ…30g
サラダ菜…1枚
A.チーズ…30g
A.牛乳…15ml
A.酒…1ml

①野菜は食べやすい大きさに切る。
②容器にAを入れたら、ふんわりとラップをかけ、電子レンジで20秒加熱する。
③②を取り出してかき混ぜたら、さらに電子レンジで数十秒加熱する。
④①を③につけていただく。

■アサリ汁
アサリ…20g
ネギ…5g
だし汁…150㏄
味噌…12g

■フルーツ
オレンジ…1/2個

※1食分あたり=エネルギー(912キロカロリー)、カルシウム(507mg)、鉄分(4.9mg)

マグロの赤身は身体強化におすすめ

 マグロはタンパク質を多く含む食品です。タンパク質を構成するアミノ酸の組成がよく、鉄も豊富。赤身は高タンパク低脂肪なので、身体を引き締めながら身体を強化したい選手にはおすすめです。

 トロなどの魚の脂質は、DHAやEPAなど。身体にとって良い脂質です。血液の流れをよくしたり、脳に関与するため頭がよくなる栄養素ともいわれています。免疫力をアップさせたり、ケガの回復などにも効果のある食材です。

(勝ごはん静岡版冊子より)