<新潟の食材で作る勝ごはん(5)>
試合前日は、疲労回復を促し、試合時のエネルギーがしっかり補給できるようにします。
大事な試合前に食中毒などにならないように生ものはさけ、油っこいものも控えます。具体的には、エネルギーが取りやすいように主食が進むメニューを取り入れたり、主食を2品に増やします。
今回はご飯とそばの2品の主食と、キムチを使ってご飯が進むようにしました。また試合前日は、ビタミンB1とその吸収を高める、ニンニクなどを多めに取れるようにしたいもの。豚肉のビタミンB1とキムチの組み合わせは、主食のエネルギーを効率よく使い、疲労回復には効果的なのです。
また副菜もエネルギーとなるニンジンを使い、フルーツの量も多くすることで、さらに試合時のエネルギーを増やしています。
試合前だからと珍しい食品やメニューをだすのではなく、栄養素を考慮したいつも通りのメニューで選手をリラックスさせることも大事です。
ビタミンK、マグネシウム豊富なへぎそば
へぎそばは、つなぎに海藻のふのりを使ったそば。ふのりを使っているために、普通のそばよりもビタミンKやマグネシウム、ビタミンB2などが多く含まれます。
ビタミンKやマグネシウムは、骨や筋肉を強化するのにも必要なため、主食をへぎそばにすれば体づくりにも役立ちます。
また、体脂肪が気になる場合の主食にも、パンや米よりもおすすめです。ただしその際は、のど越しが良いため食べ過ぎには注意しましょう。
体にいい油、オメガ3含むエゴマ
エゴマは、最近話題の体によい油、オメガ3を含みます。悪いイメージのある脂質ですが、体にとって必要な脂質もあるのです。
エゴマには魚などに含まれる脂質と同様の働きをするオメガ3が含まれます。加工食品をはじめとする現代の食事は、オメガ6は取りやすくオメガ3は不足しがちです。そのため、エゴマやクルミなどのオメガ3は意識して取りたい脂質です。
<材料と作り方(1人分)>
■ご飯
精白米…160g
■へぎそば
へぎそば(干)…60g
あさつき…10g
めんつゆ…適量
辛子…適宜
①そばをゆでる。
②めんつゆは分量通り薄めておく。
③お皿に①を輪をつくるように並べる。
■豚といかのキムチ炒め
豚ロース…80g
イカ(冷凍でも可)…50g
ニンニク…1片
キャベツ…40g
ニラ…30g
ピーマン…1個
キムチ…50g
油…小さじ1/2
①豚肉とイカ、野菜は食べやすい大きさに切る。
②フライパンに油を熱し、豚肉とイカ、ニンニクを炒める。
③さらにキャベツを加えて炒めたら、ニラとピーマンを加える。
④キムチを加える。
■にんじんの荏胡麻和え
ニンジン…40g
エゴマ…小さじ1
ハチミツ…大さじ1
レタス…1枚
①ニンジンは千切りにする。
②①とエゴマ、ハチミツをよくまぜる。
③お皿にレタスを敷き、②をのせる。
■高野豆腐のみそ汁
高野豆腐…5g
ホウレン草…20g
だし汁…150ml
味噌…大さじ1
■フルーツヨーグルト
プレーンヨーグルト…100g
バナナ…1/2本
パイナップル…50g
※1食分あたり=エネルギー/1096キロカロリー
※指導=管理栄養士・川端理香氏、協力=表参道・新潟館ネスパス
(2016年10月4日付日刊スポーツ紙面掲載)