朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。陸上競技では、この季節から駅伝やロードレースのシーズンに入ります。
選手の皆さんは、毎日一生懸命練習に励んでいると思いますが、食事からもしっかり栄養を取らないと貧血を引き起こし、練習が積めなくなってしまいます。
貧血とは、血液中の赤血球とヘモグロビンが減少した状態をいいます。
ヘモグロビンが減少すると、全身に酸素を運ぶことができなくなるので酸欠状態になってしまい、顔色が悪くなり、息切れ、めまい、立ちくらみ、疲れが取れないなどの症状が現れます。
元トップランナー高橋さんも貧血に悩んだ
私も選手時代、貧血に悩まされました。
身体がだるく、たくさん睡眠を取っても疲れが抜けない、頭痛がひどく食欲がわかない、いつもなら走れるはずの距離が、中盤に差し掛かった辺りからペースが急激に落ちてしまい、集中して走ることができない…などの症状に苦しみました。
アスリートに多い貧血は、食事からの鉄分不足や発汗、そしてランニングで繰り返し足が地面に叩き付けられる衝撃で赤血球が壊れることから起こります。女性の場合は、月経などでさらに鉄が不足しやすくなります。
その不足分を全身に貯蔵されている鉄分(貯蔵鉄)で補うことになりますが、貯蔵鉄が枯渇してしまうと貧血の症状が生じます。
特に体重管理を必要とする陸上競技の長距離選手は、摂取エネルギーの低下に伴って鉄の摂取量も減少するので、鉄を意識して補給する必要があります。
そこで、今回紹介するレシピは「マグロとアボカド丼」です。マグロはタンパク質、鉄、ビタミンB群がたくさん含まれているので貧血予防に効果があります。“森のバター”といわれるアボカドはビタミンC、ビタミンEが豊富で、ビタミンCは鉄の吸収を高めてくれます。
貧血になると全身に血液が行き渡らなくなるので、顔色が悪くなり、冷えの原因にもなります。ビタミンEは血行促進に効果がありますので、アボカドを組み合わせて血流を良くしましょう。丼物にすることでエネルギー源となるご飯もたくさん食べることができます。
トップランナーだけでなく、一般ランナーの方も貧血になりやすいので、普段からの食生活を見直してみましょう。