ジュニアアスリートにとって体作りは、運動以前の土台となるものです。中でも、骨の成長が著しい成長期には、十分なエネルギーと栄養素をとる必要があります。

特に骨作りに欠かせない栄養素は、カルシウムビタミンD。ジュニアアスリートのカルシウム推奨量は1日1300mgと言われており、運動をしていないジュニアよりも多く摂らなければなりません。

そもそもカルシウムは、日本人の国民栄養調査で摂取量が少ないと言われている栄養素。実際、ジュニアアスリートのカルシウム摂取量は推奨量を大きく下回っているとも言われているので、アスリートは意識的にとることが大切です。

1日1300mgのカルシウムを摂るには

1日1300mgのカルシウムというと、何をどれくらい摂ればいいのかと悩まれると思います。私が過去に紹介したレシピの中で示してみましょう。

3食で分けると1食あたり約440mgとなります。例えば「ニンジンポタージュスープ」で240mg、「ニラと牛乳のチヂミ」では190mgと合計430mgのカルシウムがとれます。このようなものを意識して3食揃え、足りない分は普通牛乳コップ1杯(200ml、125mg)や1個約50gで小分けになっている小魚(約1000mg)をとれば、十分にまかなえるはずです。

日光に当たらないなら食事からビタミンD

また、ジュニアアスリートの最適なパフォーマンスと骨の健康を可能にするためにはビタミンDの欠乏や摂取不足がないようにしなければなりません。ビタミンDは日光に当たることで体内で生成されます。しかし、室内競技や、日焼け止め対策を万全にしての屋外競技、緯度35度以上(日本では四国、九州以外のほとんどの地域)での冬季の練習では日光に当たる機会が不足するので、食事から摂取しなければならないのです。

食事摂取基準では、1日の摂取目安量を10歳~17歳男子で6.5~9.0μg、女子で8.0~9.5μgと示しています。これは、日常的にサケなどの魚介類やキノコ類を摂取していれば足りる量で、サプリメントなどで補充しなければならないというものではありません。

例えば、「つみれとちくわぶ入りのおでん」では5.4μg、「イワシチーズのローズマリー風味」では9.9μgのビタミンDがとれます。魚介類やキノコを意識すればクリアできるものの、これらをほとんど食べなければ、不足する可能性があります。ご飯にサケフレークをかけたり、みそ汁にキノコ類を入れたりして、自然と摂取できるようにすると良いでしょう。

今回は火を使わず、子どもと一緒に作れる料理を紹介します。「子どもと楽しくちらし寿司」で、干しシイタケのうま味を生かし、キュウリやニンジンなどの野菜とハム、カニ風味かまぼこといった子どもが好きな具材を使っています。ハムの代わりにサケフレークも使用してもOKです。

参考文献:厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」策定検討会報告書 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html(参照 2021.3.22)

管理栄養士・田澤梓