人の体を作るタンパク質は、20種類のアミノ酸から構成されています。アミノ酸は、体内で合成できない9種類の「必須(不可欠)アミノ酸」と、合成できる11種類の「非必須アミノ酸」に分類されます。

必須アミノ酸
イソロイシン・ロイシン・バリン・ヒスチジン・リシン・メチオニン・トリプトファン・フェニルアラニン・スレオニン

非必須アミノ酸
アスパラギン・アスパラギン酸・アラニン・アルギニン・システイン,シスチン・グルタミン・グルタミン酸・グリシン・プロリン・セリン・チロシン

「『必須』とは必要不可欠で、なくてはならないもの」として、必須アミノ酸を積極的にとっている選手も多いでしょう。体で合成できないと知ると、十分に摂取できているのか心配になる気持ちも分かります。

非必須アミノ酸とは

それでは、必須でない「非必須アミノ酸」は、とらなくていいのでしょうか?

もちろん、そういう訳ではありません。体内で作ることができるため、「必須」にはなっていませんが、合成するにはその材料が不可欠ですし、作るためのエネルギーも必要です。むしろ、どうしても必要だから、体内で作れるようになったという説もあるそうです。

必須アミノ酸だけをとればいいとして、偏った食事や単一の食品だけを継続して摂取するような食事は、体調管理や体作りのためにはよくありません。また、「必須」だからといって際限なく摂取していい訳でもありません。サプリメントなどで補給している方は摂りすぎの可能性もあります。個人に対しての適量を表すのは難しいのですが、偏りのない、バリエーションのある食事をとることが大切になります。

心がけるべき食事スタイル

食事からアミノ酸をとる場合、ほとんどがタンパク質を多く含む食品から摂取できます。タンパク質は肉、魚、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれていますし、穀類などにも含まれています。主食と主菜を毎食欠かさず、色々なものを食べるように心がけていれば、必須であれ、非必須であれ、特定のアミノ酸が著しく足りなくなることはありません。

今回は「冷凍パイシートで簡単!ポテトとベーコンのキッシュ」を紹介します。卵とベーコンの2種類の食品からタンパク質(アミノ酸)が、ジャガイモから炭水化物が補給できます。冷凍パイシートを使うので、下ごしらえをした材料を詰めてオーブンで焼くだけの簡単レシピです。食事メニューのほか、補食にもおすすめです。

参考文献:スポーツ栄養学ハンドブック ダン・べードット著 寺田新訳 東京大学出版会 2021

管理栄養士・田澤梓