スポーツドリンクには、塩分(ナトリウム)や糖質が含まれています。
気温が高い時期などで汗を大量にかくと、汗と一緒に塩分も排出されてしまうため、水分と同時に塩分の補給が推奨されています。また、水分の体内吸収をスムーズにし、エネルギー補給にもなるため、合わせて糖質の摂取もすすめられています。暑い時期に1時間以上の運動をするときは、スポーツドリンクで水分補給をすると良いでしょう。
しかし、アスリートからはよくこんな声を聞きます。「スポーツドリンクの甘さが気になり、たくさん飲めない」「粉末のスポーツドリンクを作る際、規定量より多くの水を入れている」。
日本スポーツ協会では水分補給時の塩分、糖質濃度の目安として、塩分は0.1~0.2%、糖質は4~8%と示しています。スポーツドリンクはメーカーや商品ごとに特徴はあるものの、この目安量を元に製造されているので、味を好まないからといって薄めないようにしましょう。
目的やシーンに合わせて商品を選ぶ
各ドリンクの成分表示を見ると、主に糖質が4~6%と比較的多いアイソトニックと2%程度のハイポトニックに分かれています。糖質を補給したい練習前後に飲むのか、素早く水分を補給したい練習中に飲むのかといった目的やシーンを考えて商品を選ぶといいかもしれません。それでも甘さが気になる場合は、スポーツドリンクを飲んだ後に、水で口をすすぐなどの工夫をしてみてください。
水100mlで1粒程度が目安
スポーツドリンクではなく、塩分の入っていない水や麦茶で水分をとった場合、塩分を加える必要があります。市販の塩分タブレットや塩飴は1粒で食塩相当量が0.1g程度なので、100mlの水に対して1粒程度で一般的なスポーツドリンクと同じ比率の水分・塩分量となります。逆に食べすぎて塩分過多にならないよう気を付けましょう。
今回は、レモン汁を合わせた「レモンミルクドリンク」を紹介します。牛乳に含まれるナトリウムで、塩を加えなくても塩分濃度が0.1%になっており、まさに家庭で飲めるスポーツドリンクです。レモンのさわやかな香りで、さっぱりと飲みやすいです。
参考文献:寺田新 スポーツ栄養学 東京大学出版会 2017