前回のコラムでは、「脂質(油)はどれくらいとった方がいいのか」という話をしました。引き続き今回も、「油」をテーマにしていきます。

油は調理で使う量だけでなく、調理方法や食材やその切り方によっても付着量が変わります。

例えば、サラダや添え物のキャベツにかけるドレッシングとして油を使うときの付着率はキャベツの切り方によって次のように変わります。

とても細かい千切りキャベツ=84%
普通の千切りキャベツ=81%
3cm角にちぎったキャベツ=78%
3cm角に切ったキャベツ=75%

また同じ千切りでも材料によって、付着率は異なります。

レタス=81%
ニンジン=57%
キュウリ=53%
輪切りのトマト=60%

軽くて凹凸があり、かさの大きい材料ほど、またトマトのように切り口に水分が多いものは油が付きやすくなります。

調味料の順番によっても油の付着率が変わる

さらに、調味料をかける順番によっても油の付着率は変わります。油と酢を3cm角に切ったキャベツにかけるとして、油を先にかけると付着率は75%で、酢を先にすると78%となります。食材に油よりも水分が先に付くと、油がよく絡むのです。

これを応用すれば、油の摂取量を調整できます。増量したい、たくさんのエネルギーを摂りたいという人は、野菜を細かく切り、表面積を多くして油の付着率を高めた方が良いですし、逆に減量、体脂肪ダウンを目的とする人は、野菜を大きめに切り、水切りを十分にした方が良いですね。少しの違いが積み重なると、大きな違いとなります。油の特性をうまく利用しましょう。

今回は、「ブルーベリージャムソースのボイルチキンサラダ」を紹介します。茹でた鶏むね肉のサラダに、ブルーベリージャムと酢、オリーブオイル、塩で作ったソースをかけています。ブルーベリーの甘さが酢の酸味との相性も良く、見た目も鮮やかになります。油を上手に取り入れることができるメニューです。

参考文献:調理のためのベーシックデータ 女子栄養大出版部

管理栄養士・田澤梓