冬場に長時間の基礎練習や走り込みをするチームや選手もいるでしょう。運動時のエネルギー源として炭水化物は重要で、特に持久的競技を行う場合にはたくさん摂取しておかなければなりません。

たくさんの炭水化物をどうとるか

試合前の食事でも炭水化物を多く摂ることが大切だということはご存じですよね。筋肉に、いつも以上に炭水化物を蓄えるグリコーゲンローディングでは、1日に体重1kgあたり10~12gが必要です。通常練習でも、1日に1~3時間の中~高強度の運動を行うときは、体重1kgあたり6~10gが必要だと言われています。

この量は、炭水化物の多い食品を相当多く摂らないとまかなえません。どのくらい多いかというと、例えば体重50kgの人は1日に500gの炭水化物をとることとなり、これは「ご飯」で計算すると1.4kgにもなります。400gのどんぶりめしを3食食べて、さらに1個100gのおにぎりを2個ということになります。

食事で摂りきれない分を「お菓子」で

しかし、食べられる量にも限界がありますよね。「頑張って食事をとり、さらに補食でおにぎりはきつい」「もっと手軽に炭水化物の補給をしたい」というときに活用できるのが「お菓子」です。お菓子といっても、スナック菓子や脂質の多い洋菓子ではなく、脂質が少なく炭水化物が補給できるものです。

炭水化物が多く脂質の少ないお菓子の例

・まんじゅう(1個40g)23.8g
・みたらし団子(1本60g)26.9g
・カステラ(1切れ50g)30.9g
・ラムネ(1袋40g)36.9g
・グミ(1袋50g)41.2g
・せんべい(5枚50g)42g
・オレンジジュース(200ml)22g
・コーラ(200ml)22.8g

もちろん、これらを摂るためには3食の食事で必要な栄養素をとっていることが前提です。また、お菓子を食べたことで食事がとれなくなったり、食事替わりにお菓子を食べたりするのもNGです。清涼飲料水も炭水化物の補給という観点であれば、摂取したらダメということにはなりません。

つまり、目的やタイミングによってはお菓子を食べたらダメということにはならない、お菓子は悪者ではないということです。

今回は「カスタード蒸しパン」を紹介します。炭水化物が76.2gとれる補食です。

ホットケーキミックスと牛乳、砂糖、卵などご自宅にある材料を使い、カスタードも蒸しパンも電子レンジで簡単に作ることができます。バターを使っていないので脂質も抑えられています。

参考文献:
・IOC:Nutrition for athletes : A practical guide to eating for health and performance.2016
・文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)

管理栄養士:田澤梓