みなさんは、どのくらいの頻度で魚を食べていますか?
国民健康・栄養調査によると、全年齢における1日の摂取量は下記のように変化しています。この30年間で魚と肉の摂取量が逆転している状況です。
■1日における肉と魚の摂取量
・1985年 肉…72g、魚…90g ・2016年 肉…91g、魚…69g
また、年齢を15~19歳(男女総計)に絞ると
・2016年 肉…148g、魚…57g
とその差はさらに開きます。
一方で、子どもの好きな寿司ネタランキングの1位は、マグロでした。骨もないし、適度な脂身もあって好まれるのでしょうか。
さらに、「魚の脂に含まれる、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)は、アレルギーに良い効果があるらしい」という話を聞いたことはありませんか?
国内外で、魚に多く含まれるEPAやDHAという脂肪酸がどのようにアレルギー疾患に影響されるのか研究されています。アレルギー疾患の発病には、脂肪酸の摂取内容が影響を及ぼすということも分かってきました。
今回紹介する料理は、魚離れが進む中でも子どもたちが好きなマグロを使用した「米油でマグロ唐揚げ」です。魚の臭みもなく、肉の食感にも似ています。唐揚げといえば鶏肉が主流ですが、アレルギー対策に必須のn-3系脂肪酸を摂取するきっかけになればと思い、マグロを使いました。
n-3系脂肪酸をより多く
マグロは、魚の中でも極めて多くのDHAが含まれています。鶏もも肉を使用した時とマグロ(クロマグロ)を使用する時では、どのくらい脂肪の構成が違うのか、以下に明記します。肉類にもn-3系脂肪は含まれていますが、魚に比べると極わずかしか含まれていないことが分かります。
■鶏肉とマグロのn-6系、n-3系脂肪酸の比較
<鶏もも肉> n-6系(2.66g)n-3系(0.12g) <クロマグロ(脂身)> n-6系(0.6g)n-3系(5.81g)
ちなみに、今回使用した揚げ油は、n-9系脂肪酸を多く含む米油を使用しています。魚に多く含まれるDHAやEPAなどの効果が、飽和脂肪酸やn-6系脂肪酸の多い油を使用することで、減弱されるためです。食材の脂だけではなく、調理する際に使用する油の種類にも意識して気を付けましょう。
また、上記で肉と魚の油脂の構成について記していますが、どの油も複数の成分によって構成されています。油の成分比率をよく見てから購入、使用しましょう。