この季節は、アスレシピ内でも、栄養関連書籍でもビタミンやファイトケミカルが豊富なトマトを使って夏バテ予防として紹介しています。今回は、トマトに極めて多く含まれているGABA(γ-アミノ酪酸)について紹介していきます。

 試合本番は、精神の安定性を求められます。みなさんはどのような方法で、自身をコントロールしますか? 事前に本番会場を下見、練習をしておく、呼吸を整える、イメージトレーニングを行う、音楽を聴く…などいろいろ考えられますが、「食事」から考えたことはありますか?

 アミノ酸の1つ「GABA」という言葉を耳にしたことはあるかと思います。GABAは、脳や脊髄にも含まれており、脳のさまざまな機能を調節する神経伝達物質として働きます。リラックス効果、安眠効果などの効能があり、特に自律神経の乱れを正す手助けをする効果があることでも注目されています。抗酸化力の高い夏野菜のトマトには、GABAが他の食品と比較しても多く含まれており、発芽玄米の約6倍も含まれています。 

ストレスで乱れ、免疫力低下

 アレルギーの観点においても、自律神経の乱れとの関わりがあるとされています。以前のコラムで、アレルギーとは「免疫機能が正常に機能しないこと(参考「まずは腸のお掃除、雑穀でミネラル、馬肉でスタミナチャージ」) と紹介しましたが、自律神経の乱れがアレルギー症状にも影響があるとも考えられています。

 自律神経とは、体温調節、呼吸、消化吸収を無意識に調節している神経であり、大きなストレスがかかることで調節機能が乱れやすくなります。自律神経が乱れることで免疫力が低下し、アレルギー症状を助長させやすくします。

トマトとシラスのさっと炒め
トマトとシラスのさっと炒め

 また、夏の暑さでダメージを受けると、次第に食欲不振や身体のだるさなどの夏バテの症状が表れやすくなります。自律神経の乱れを防ぐために、リラックス効果が高く、短時間で作れる「トマトとシラスのさっと炒め」を紹介します。

 アレルギー症状の発症予防にはアレルゲンとなる食物を食べない、アレルゲンに触れないことなどが一番大事なことですが、自律神経のバランスもアレルギー症状を緩和させる上では目を向けておく必要があるかと思います。

 もちろん、リラックスには食事だけでなく、深呼吸、ぬるめのお風呂に浸かる、好きな音楽を聴く、十分な睡眠をとるなど、ご自身の状況に適したリラックスモードがオンになる方法で免疫力を高め、試合でベストパフォーマンスを発揮できるよう備えましょう。