12月に入りました。この時期はクリスマス会、忘年会、新年会などの集まりの計画をされている方が多いことと思います。食物アレルギーの方がゲストとして参加されるケースもあることでしょう。その際、何を注意して、どのように接したらいいか、不安になることと思います。
今回は、食物アレルギーを持つ方が日頃の食生活で気を付けていることを一部紹介し、ゲストを迎える側としての心構えをお伝えします。
1μgでアレルギー反応
さて、アレルギー反応はどのくらいの量で発症するのかというと、1gの100万分の1、1μg(マイクログラム)で反応してしまいます。
食物アレルギーは、極微量のアレルゲン物質を口にしたり、目に入ったりすると症状が出てしまう、生命に関わる疾患です。そのため、食物アレルギーのある子どもや大人、保護者は細心の注意を払って毎日の食事を作り、外食先で食べています。
では、どんなことに注意しているのでしょうか。事例を交えながら紹介していきます。
■事例1)スポンジを介して
料理にアレルゲンは入っていなかったが、アレルギー症状が出現。原因を探ると、調理場で使用しているスポンジが、アレルゲンを含む料理と共通であったためにアレルゲンが残留し、お皿や調理器具などに付着した可能性があった。
<対策>
①アレルギー患者専用の食器や調理器具(スポンジなど含む)を用意する。
②食物アレルギーの方がゲストとして参加する場合には、使い捨てできる紙皿や紙コップ、スプーン、フォーク、割り箸を使うことも多い(重篤な症状が出ない場合は、アレルギーを持っていない家族や生徒と同じ食器や調理器具を使用するケースもある)。
■事例2)水洗いのスプーンを介して
家族用に作った煮魚のおつゆをすくったスプーンを、軽く水洗いして魚アレルギーの子どもに使わせたところ、料理を食べた数分後からアレルギー症状が出現した。
<対策>
アレルゲンの入った食材に触れた調理器具の不十分な洗浄がアレルギー症状を出現させる。洗剤を使用してしっかり洗浄することが大切。
■事例3)以前購入していた同じ食品でもアレルギー反応が出現
以前から購入しているアレルゲンの入っていない食品を久しぶりに購入したところ、アレルギー症状が出現した。規格変更により、一部の原材料に変更があり、アレルゲンが含まれていた。
<対策>
原材料の一部変更は、店頭で商品を見ても分からないケースがある。食品添加物のアレルゲンに反応することもあるので、食品メーカーに詳しく確認すること。微量で反応があり、命に係わる疾患なので、原材料の確認に少しでも不安があれば、必ず食物アレルギーの子どもの保護者に確認してもらうこと。
■事例4)取り分け時にアレルゲン混入
ホームパーティーでさまざまな料理が並び、取り分ける形式の場合、自分が食べられる料理を選んでいたものの、食べた後にアレルギー症状が出現した。トングや菜箸が2種類に1つであったため、自分が食べられない料理を取り分けるトングと同じトングで取り分けてしまい、少々のアレルゲンを気づかないで摂取していた。
<対策>
食物アレルギーの方は、料理によって食べられる料理と食べられない料理があります。それぞれの料理に、トングや菜箸などを用意して、食材が混ざらないように工夫すること。取り分ける時、参加者の皆さんにそれぞれの取り分け用のトングを使用するよう話をしておくことも大切です。
以上のように、食物アレルギーをもつ子どもの保護者は、時間をかけて慎重に食材、食品を選んでいます。楽しいイベントで不慮の事故が起こらないよう注意を払いましょう。
今回は、パーティーの華にもなる「ミネラルいっぱいカラフルミートローフ」を紹介します。通常、肉がメインとなり、少量の野菜を入れることが多いと思いますが、今回は腸内環境を整える雑穀を加えて、ミネラルや食物繊維の強化につなげています。また、彩り豊かに、さまざまな野菜を入れている華やかなメニューです。