食物アレルギーのお子さまの栄養指導をしていて感じることは、肉と魚の摂取頻度を聞くと、「肉の方が好き」と言う方が多いことです。以前のコラムでも書きましたが、年々肉の摂取頻度が上昇しています。皆さんの食事内容はいかがでしょうか。

魚に含まれる脂、DHAやEPAを摂取することで、かゆみや湿疹などのアレルギー症状が軽減したといった研究報告が出ています。患者全員に該当する話ではないと思いますし、全体の食事内容や生活環境などの改善もあったためだと思いますが、実際にアレルギーをもつお子さまのお母さまから「魚を食べてくれるようになり、皮膚の状態が改善したように思います」と言われたこともありました。

魚の脂と抑うつとの関連性も

また、魚の脂の関連について、アレルギー以外では鬱(うつ)の研究も進んでいます。小学生や大学生を対象とした研究においても、魚介類やn-3系脂肪酸摂取と抑うつの関係を調べた時に、小学生男児、大学生男女に関連が認められています。

さらに、4000人規模の大学生を対象にした研究において、約13%が魚をほとんど食べていないと回答していたようです。魚に含まれる栄養素を、肉では全て補えません。スポーツの成績やパフォーマンスが伸び悩んだ時こそ、食事をないがしろにせず、心も体も豊かになる内容になっているか見つめ直して欲しいと思います。

魚独特の食感を軽減するために、鶏肉を加えて作った「太刀魚のさっぱりハンバーグ」
魚独特の食感を軽減するために、鶏肉を加えて作った「太刀魚のさっぱりハンバーグ」

ただ、このように魚の栄養や魅力についてお話ししていても「魚の味や食感が苦手です」ということも言われます。そんな方に今回おすすめめしたいのが「太刀魚のさっぱりハンバーグ」です。

太刀魚には、白身で淡白なイメージがあると思いますが、脂がのっていてEPAやDHAが豊富に含まれています。魚独特の食感を軽減するために、今回は鶏肉を加えています。豆腐に代えても良いでしょう。

咀嚼力を落とさないように、ニンジンは粗みじん切りにしています。おろしポン酢や照り焼きソースなど、お好みの味付けでお召し上がり下さい。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子