ようやく新学期が始まり、初めて出会う仲間と学校生活をスタートした学生アスリートの方もいると思います。その中には、食物アレルギーの友だちもいるかもしれません。
食物アレルギーがあると、どんなことが起こるの…? 今回は、そんな疑問に答えるため、食物アレルギーを持つ友だちへの理解を深める事例をいくつか紹介していきます。学校生活やプライベートで、こんなことが生じるかもしれません。
学生生活での例
●小麦粘土を使用した工作作業ができない(小麦アレルギーの方は、小麦を含まない粘土を使用)。
→食べなくても、触れるだけで皮膚から吸収されてアレルギー症状が出ることがあるからです。
●アレルゲンとなる野菜や果実の栽培は見学にとどめた(野菜や果実アレルギーの方の中には、栽培も控えるよう指示されている方もいます)。
→野菜や果実の絞り汁などに触れただけでアレルギー症状が出ることがあるからです。
●アレルゲンを使用した調理実習の参加を控えた。
→当然のことながら、アレルゲンの食品を食べたり、触れたりすることができないケースがあります。例えば、小麦アレルギーの場合に小麦が舞う環境にいることが難しいケースがあるからです。
プライベートでの例
●そばアレルギーがあるからと、うどんを食べられる店で食事会を企画したものの、参加しなかった。
→店によっては、そばをゆでた同じ釜でうどんをゆでる場合があり、それでアレルギー症状が出ることがあるからです。
●乳のアレルゲンを含まない焼き肉パーティーを企画したが、乳アレルギーの友だちは参加しなかった。
→肉と肉を結着させた加工肉を使用する場合、結着剤に乳由来成分が含まれていることがあるからです。
●小麦アレルギーの友だちに米粉パンを買ってきたところ、表示がないため購入したお店を教えて欲しいと言われた
→米粉パンと表示されていても、若干小麦が含まれているケースがあるからです。また、「グルテンフリー=小麦フリー」とも言い切れません。
このような事例を見て、どう感じましたか? 食べることでアレルギー症状が出ると聞いたことがあっても、触れる、または微量吸い込むことでアレルギーが出るとは想像していなかった方もいるでしょう。「食物アレルギーのクラスメートはなぜ、参加しないのかな?」と思うことがあったら、このコラムを思い出してくださいね。