3月に入り、スギ花粉の飛散量がさらに増えてきましたね。花粉症の皆さんの体調はいかがでしょうか。
花粉症の症状を緩和する食品として、ヨーグルト、乳酸菌食品、甜茶などを利用している人もいると思いますが、乳製品などの食物アレルギーがあると摂取に制限が出てきます。今回は、花粉症症状の軽減効果が期待される「フラボノイド(ルテオリン)」について紹介していきます。
フラボノイドは、ポリフェノールの一種で、植物に含まれる色素や苦味、辛味成分です。
複数の調査報告において、アレルギー症状を引き起こす物質の分泌を抑える作用があり、間接的にアレルギー症状の緩和サポートをする役割があると考えられています。また、動物実験においてもアレルギー症状の軽減効果が確認されており、スギ花粉症においてもフラボノイドを摂ることで、アレルギー症状が軽減すると関係性が報告されています。
フラボノイドの中でも、炎症抑制に導きやすい抗酸化力の強い物質の1つが「ルテオリン」です。ルテオリンは春菊、シソ、エゴマなどに多く含まれている黄色の色素成分で、抗酸化作用、抗アレルギー作用があるともいわれています。
以前のコラム「緑黄色野菜のカロテンで免疫機能を改善、アレルギー症状緩和も期待」では、緑黄色野菜(カロテン)の摂取をおすすめしました。緑黄色野菜とともにルテオリンを含む食品を積極的に摂ってみてはいかがでしょうか。
本日紹介するのは、ルテオリンを多く含む春菊を使った「春菊とニンジンのもちもち米粉のチヂミ」です。
花粉症に負けない体づくりには、粘膜強化のカロテノイド(カロテン)や腸内環境を整える食物繊維を意識して摂ることも大切です。春菊は、カロテンに加えてルテオリンや食物繊維、牛乳アレルギーの方が不足しやすいカルシウムも多く含まれています。このレシピでは、おおよそ牛乳60ml相当のカルシウムを摂取することができます。
ニンジンもカロテンが豊富です。「春菊とニンジンのもちもち米粉のチヂミ」をスギ花粉の飛散症が多い季節を乗り越える副菜としてお試しください。
参考文献:
・Tanaka T.:Flavonoids for allergic diseases: present evidence and future perspective, Curr Pharm Des. 2014;20(6):879-85.
・Tanaka T, Hirano T, kawai M, et al : Flavonoids, natural inhibitors of basophil activation. In:Vellis PK, editor. Basophil Granulocytes. New York: Nova Science Publishers, Inc.:2011. Chapter 4 p.61-72
・Kawai M, Hirano T, Arimitsu J: Effect of enzymatically modified isoquercitrin, a flavonoid, on symptoms of Japanese cedar pollinosis: a randomized double-blind placebo-controlled trial. Int Arch Allergy Immunol. 2009 ;149(4):359-68.
・Hirano T, Kawai M, Arimitsu J, et al: Preventative effect of a flavonoid, enzymatically modified isoquercitrin on ocular symptoms of Japanese cedar pollinosis. Allergol Int. 2009; 58(3):373-82.