今年度の高校ハンドボールで富山・氷見高が選抜、インターハイ、国体の3冠を達成。そのサポートレポート第2回では、2年目となった昨年に実施したことをお話します。

1年目は基本的な食生活を充実させることを目標としましたが、2年目は主に「試合期の食事」について指導しました。シーズンが始まると、休日のほとんどは県内外での練習試合が入り、選手は非常に多忙。その合間を縫ってセミナーを行いました。

試合に向けての食事計画

まずは、試合までどう過ごすか、選手とともに予定を立てました。毎食の食事のとり方はもちろん大切ですが、試合に向けて予定を組み立てて自分のリズムを作り、同時に食事計画を練っていくことも、とても重要です。

2017年の全国選抜大会とインターハイには、私は帯同しなかったので、食事計画と試合前後に用意する補食を伝えてチームを送り出しました。宿舎での食事内容は毎食、写真で送ってもらい、アドバイスを送りました。選抜は3位、インターハイは2位という結果で、目標の全国制覇までもう一歩というところで終わりました。

2017年全国制覇まであと一歩

選手は、その結果に満足していませんでした。次の代、今の2、3年生は翌年の全国大会で悔しさを晴らすため、体作りに一層励むようになりました。引退した後も大学で競技を続ける選手が多かった3年生は、卒業まで後輩たちと一緒にトレーニング。高校ハンドボールで試合のないのは9、10月だけと非常に短い期間ですが、ここで体をしっかりと作り直しました。

2018年3月の全国選抜大会には帯同したので、現地で選手たちの食事を確認しながら、以下のことを実施しました。

(1)宿舎と食事メニューの事前確認
 食事の変更はできませんでしたが、ブッフェ方式だったので、食事前に食べるべきメニューと避けるメニューをはっきりとさせ、選手に徹底させました。例えば、ご飯、パスタ、果物はしっかり食べる。唐揚げ、ポテトフライなどの揚げ物は避けるなど。

宿舎のビュッフェで食事をとる氷見高ハンドボール部の選手
宿舎のビュッフェで食事をとる氷見高ハンドボール部の選手

(2)補食の準備
 選手たちの嗜好も取り入れながら、食事係の控え選手たちと試合終了後に買い物に行き、足りないものがないようにしました。

宿舎近くのスーパーへ買い出しに行く氷見高の選手たち
宿舎近くのスーパーへ買い出しに行く氷見高の選手たち

(3)コンディション管理
 トレーナーと協力して体重や体調を管理。スタッフミーティングで共有しました。

(4)水分の準備
 試合時に使用するスポーツドリンクを整えました。私はベンチには入れないので、選手が自分で用意するようにしました。

この甲斐もあって大会では負傷者も出ず、コンディション不良者もなく、最後まで戦い抜くことができました。ここで全国制覇できたことが、その後の試合期を一気に乗り切れたのだと思います。

上記にもあるように、試合時、遠征時の宿舎では、試合前日の夕食として必ずしも望ましいものが提供されるとは限りません。

消化の悪い揚げ物、食中毒リスクの高い刺身がおかずとして出され、それを食べなければ、エネルギー量の確保が難しい場合もあります。そんな時は、自分たちで簡単に食べられる食事を用意する、栄養補助食品を利用するといったことも必要になります。

持ち運び便利な缶詰でできる「サンマかば焼き丼」
持ち運び便利な缶詰でできる「サンマかば焼き丼」

今回は、遠征時などに便利な缶詰を使った簡単メニュー「レンジでできるサンマかば焼き丼」を紹介します。ベストコンディションで試合に臨めるようお試し下さい。

管理栄養士・舘川美貴子