ある選手から「グリコーゲンローディングは太るのですか?」と聞かれました。今回は、試合前に実施している人も多いグリコーゲンローディング(カーボローディング)について説明していきます。

試合3日前から高糖質食と運動の調整

グリコーゲンローディングは、運動パフォーマンスの向上を目指し、高糖質食と運動の調整によりグリコーゲン貯蔵レベルを高めるための方法です。主に試合前や試合時のエネルギー源を蓄えるために行うもので、試合の3日前から、食事で多くのご飯や麺、パンなどの糖質を中心に摂取し、筋グリコーゲンを通常より多く体に貯蔵しておきます。

グリコーゲンと一緒に水分も貯蔵

ではなぜ、「グリコーゲンローディングは太る」と言われるのでしょうか。

摂取した糖質はグリコーゲンとして貯蔵される際、水も一緒に蓄えられます。グリコーゲン1gに対して約3gの水分が結合するので、その分、体重が増えるのです。

例えば、普段よりも300g多くグリコーゲンを貯蓄する場合、900gの水も一緒に貯め込むことになり、合計で約1200gの体重増加になります。つまり、「グリコーゲンローディングで太る」のは体脂肪が増えるのではなく、一時的な水分増加による体重増なのです。体重が増えるのはデメリットと考えられがちですが、それよりも試合におけるエネルギーを蓄えられるというメリット面が大きいとされています。

適する競技とそうでない競技

ただし、グリコーゲンローディングがすべての競技に適するかというと、そうではありません。マラソンやトライアスロンのように競技時間が90分以上の運動であれば効果的ですが、5分以内で終わるような高強度の運動では有益ではありません。もちろん、階級制の競技は適しません。競技の特性も踏まえながら、食事の環境を整えましょう。

今回は、秋が旬のサツマイモを使った「サツマイモとさつま揚げの煮物」を紹介します。サツマイモの甘さとさつま揚げのだしによって食欲が進み、試合前の糖質補給にぴったりです。

サツマイモには糖質だけでなく、ビタミンCやカリウムも多く含まれています。1つの食材で色々な栄養素が摂れるので、おすすめです。

管理栄養士・舘川美貴子