<青果店:ベジタブル石橋(上)>
関東も梅雨入りし、しばらくジメジメした日が続きます。体調を整えるためにも、旬の美味しい野菜をたくさん食べたい! ということで、今回は築地場外の「かどの八百屋の石橋」でおなじみの「ベジタブル石橋」にお邪魔し、美味しい夏野菜をチェックしてきました。
ベジタブル石橋は北は北海道から、南は沖縄まで全国の野菜が集結。一般野菜、果実のほか促成栽培のつまものまで取り扱っており、その品揃えは場外随一を誇ります。毎度ここで購入する常連さん、店員に細かく質問しながら購入する客、珍しい果物を撮影する観光客ら、雨模様にもかかわらず店は大賑わいでした。
「夏野菜は色々あるけど、これからの旬でオススメなのは、ホワイトアスパラ、トウモロコシ、わさび…かな」と中三川武彦部長(45)。うわー、確かにアスパラが新鮮そのもの。これだけ入って一盛500円は安い。トウモロコシも粒がきれいです。
一般的にどの食材も、旬の時期の数カ月は栄養価が高まると言われています。夏にはやっぱり夏野菜。自然の恵みをシンプルに食べたいので、管理栄養士・今井久美さんに旬の野菜をふんだんに盛り込んだ栄養価たっぷりの「夏野菜サラダ」の作り方を教えてもらいましょう。
まずは主な食材の説明です。
●アスパラガス
一般的にグリーンのものが流通していますが、ホワイト、紫のものもあります。ホワイトアスパラは、グリーンと同じ品種ですが、土を盛り、日光に当てずに育てるので、グリーンのものに比べてβカロテンは少ないものの、青くささがなく、柔らかい食感で甘みもあり、野菜嫌いの人でも食べやすくなっています。紫はグリーンと品種が異なり、アントシアニンを多く含みます。
どの色のアスパラガスも、ビタミンB1、B2、葉酸、ビタミンC、ビタミンEを含んでおり、疲労回復、代謝促進、貧血予防、抗酸化作用が期待できます。また、穂先の部分にはルチンという成分が含まれており、血管を丈夫にし、抗酸化作用があります。
●トウモロコシ
最近では生で食べられる甘い品種も出回るようになりました。ビタミンB1、B2、ビタミンE、リノール酸、カルシウム、マグネシウムをバランスよく含み、食物繊維も豊富です。野菜の中では炭水化物が多く、エネルギー消費の多いアスリートには、おかずとしてだけでなく、補食としても食べていただきたい食材です。
●夏野菜サラダについて
さっぱりとした味付けであっさり食べられるものがオススメです。アスパラガスは、ホワイトでもグリーンでも◎。今回のレシピには夏が旬の野菜としてトマト、キュウリを加えましたが、オクラやサヤインゲンも合います。トウモロコシを入れることで、炭水化物も補えるため、食欲がない時や主食を食べたくない時のおかずとしても適しています。
タンパク質を補うために、具材にツナ缶やハムを入れてアレンジするのも良いでしょう。すぐに食べるのであれば温泉卵をあえて、いただくのもおすすめです。
ワサビには強い抗菌作用があるため、お弁当に入れる場合、夏場に多い食中毒の予防になります。
いつもワンパターンになりがちなサラダですが、一手間かけて、夏バージョンにアレンジしてみましょう。
ベジタブル石橋の店頭で、初めて見たのが「カリフローレ」(200円)。「カリフラワーのようなブロッコリーのような感じで、生のままでも食べられる。さっと茹でると、シャキシャキした、何とも言えない歯触りがあるんだよ」(中三川部長)。確かに、試してみると、味にクセやアクはなく、ほんのり甘みが。バーニャカウダソースやドレッシングをかけるなど、素材を生かした食べ方がよさそうです。
住所:東京都中央区築地4丁目10番1号
TEL:03-3545-1538
営業時間:6:30~12:30
定休日:日曜・祝日・市場休市日