年代により段階的に意識づけ
以前スポーツ栄養の勉強会に参加した時、講師が次のように話していました。
「小学生までは食に興味を持たせ、中学生ではどの食品にどんな栄養が入っているかを理解させ、高校生はどんな栄養がどんな働きをするか理解させ、大学生からは自分に必要な食品を選んで購入するようにできれば、ご家庭での育て方は成功です」
私は息子が小学生の頃、一緒に買い物に行くとお互い1つずつ商品を取り、栄養成分表示を見て脂質や炭水化物の量が多いか少ないかを当てあったり、カルシウムがたくさん入っている食べ物をカゴに入れた方が勝ち、などと工夫をしながら興味を持たせるようにしていました。幼いうちは、遊び感覚や楽しみながら生活の中に組み入れていくと、入りやすいように思います。
炭酸ジュースと果汁100%のオレンジジュース、メロンパンとあんパンだったら、どちらが今の自分の体には必要なのか。成長して自分で選ばなければいけない場面で、自然に正しい方を選べるようになることを目指しました。
中学生になると、親よりも友だちからの影響が大きくなったと感じます。息子たちの間で筋トレを始めた頃にサラダチキンがはやったことがありましたが、どこのコンビニのどの味がおいしいなどと、楽しそうに情報交換をしていました。
今回の試合期間を振り返ってみても、ビュッフェの食事の時、自分たちで試合のためになる選択ができたという意識が、結果にプラスに働いていたかもしれません。
この時期に親ができることは、一方的に食事を用意するだけではなく、体作りに良い食べ物を提案すること。本人が興味を持てば友だちと共有し、より良いものを探すなど発展させてくれたらいいと思っています。
部活期間だけではない、その先にも
子どもたちはいつか、1人暮らしをするなど自分で食事を整える日がくるでしょう。今頑張っているスポーツをきっかけに、この先の人生にも役立つ知識を伝えていくことが私たちにはできるのではないでしょうか。
全国大会の終了後、子どもたちに向けて監督が話した言葉です。
「この暑い夏の連戦でも、誰一人として足がつったり、熱中症になった者はいなかった。これは家の人がちゃんと栄養を考えた食事を用意してくれていたからだ。それもあって最高の結果が出せたのだと思う。感謝するように」
この話を聞き、うれしく思うと同時に、家庭で食事を担当する者として身の引き締まる思いがしました。
これからも最高のパフォーマンスを発揮できるよう、親としてできることを日々の生活の中から見つけていきたいと思います。
【ママ特派員=神奈川県在住・長見恵】