そもそも生クリームって?
牛乳、生クリーム、バターの原料は全て牛のお乳です。搾ったばかりの生乳を加熱殺菌したものが「牛乳」。成分無調整牛乳のほか、加工乳、低脂肪、無脂肪牛乳などがあります。
牛乳を工業的に油と水分に分離して(遠心分離)、脂肪分を濃縮し、脂肪分が高くしたものを生クリーム(脂肪分25~45%)。さらに水分を取り除き、脂肪分だけにしたものがバターとなるのです。バターを1箱(200g)作るのに、使われる牛乳は約5本分ともいわれています。
バターはなぜ黄色いのか
バターは生クリームからできると聞いて、疑問が生じませんか? 生クリームは白いのに、バターは黄色。なぜでしょう?
バターの鮮やかな黄色は、「カロテノイド」という油に溶ける色の1つ(脂溶性色素)です。ニンジンの色で有名なカロテンもその仲間です。もともとは牛が食べる牧草に含まれていて、それが牛乳の成分に混ざっているのです。
牛乳や生クリームは、乳脂肪の粒がタンパク質の膜(脂肪球膜)で包まれているため、外からカロテノイドの色が見えません。粒状では水に溶けず、外からの光を散乱させるため、白く見えるのです。しかし、バターは脂肪球が壊れて乳脂肪がむき出しになってしまったので、黄色く見えるようになったのです
牛乳でも色が違う
色に関連してもう1つ雑学を。成分無調整牛乳と無脂肪牛乳、色が違うと思ったことはありませんか?
無調整牛乳を基準とすると、無脂肪牛乳は光を散乱し、白く見せる乳脂肪が少ないため、少し透き通ったような白色。逆に、脂肪分が高めな加工乳は、少し白さが濃く感じられます。
緑の草を食べて、赤い血で白い牛乳を作る。その乳からできるバターやチーズは黄色です。何だか不思議ですね。