<キッチンは実験室(24):牛乳の科学>
皆さん、こんにちは。キッチンの科学プロジェクト(KKP)のみせすです。今日のテーマは「牛乳」。アスリートを目指すみなさんに欠かせないカルシウムが入った高タンパクの飲料についてです。春休みにぴったりの親子で楽しめる「バター作り」を通じて、牛乳の種類や科学を学んでみませんか?
親子で実験♪自家製バター作り
最初に親子で実験をしてみましょう。用意するのは「成分無調整」の牛乳2種類です。
<材料>
A:ノンホモ牛乳200ml(※)
B:ノンホモでない普通の牛乳 200ml
※ノンホモジナイズ牛乳とパッケージに書いてあることが多いですが、スーパーによっては置いていない場合があります。百貨店の食品コーナー、自然食品のお店で探してみてください。
<実験>
1、A、Bをそれぞれ大きめのビンに入れる(ふた付きのビンで購入した場合は、1/3ほど飲むなどして量を減らし、そのままふたをして利用してもOK)。
2、ビンを10~20分、それぞれ振る。
3、Aのみ粒状のものが浮かんだり、ふたやビンの周りに付着するのを確認し、そのまま数分振り続ける。
4、キッチンペーパーやざるでこし、固体のかたまりと液体に分ければ完成。固体のかたまりは「バター」。
液体を飲むと、あっさりした味なのが分かるでしょう。脂肪分が取り除かれた「バターミルク」と呼ばれるもので、低脂肪牛乳に近いものになっているはずです。
ノンホモ牛乳でバターができた訳
それでは、どうしてノンホモ牛乳ではバターができたのでしょう?
牛乳の水分の中には油の粒「乳脂肪」があり、生乳1mlの中には15万個の脂肪球があると言われています。油の粒(脂肪球)は浮いている状態で、タンパク質の膜(脂肪球膜)で包まれています。
油は軽いため、静かに置いておくと、ドレッシングのように油分と水分に分離し、脂肪球の層が浮かんできます(クリームライン)。バターを振ると、脂肪球を包んでいるタンパク質の膜が壊れて、油分と水分の位置が変わり、乳脂肪がまとまってバターができたのです。
(参考:マヨネーズの科学)
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