思春期には様々な身体症状が出ることも

娘の足は少しずつ震えが少なくなり、力が入るようになって約5カ月後に症状が消失しました。ドクターからは、心身ともにアンバランスな思春期には、様々な形で身体症状があらわれることがあること、その要因は一つではないことなどを定期診察の際にうかがってきました。

その後は部活も以前のように取り組めるようになり、中学最後の試合では県大会にも出場することができました。

娘の生活がもとに戻り、落ち着いてきた蝉しぐれの頃、改めて友人と延寿寺日荷堂を訪れてみました。お堂には履物の摸された絵馬がたくさん奉納されていました。小さな草履がついている物は小さな子の足に関するお願い込められたものなのでしょうか。昔の方が子どもの健脚を祈った気持ちと、現代の私の気持ちが重なり、涙があふれました。

境内にも、足に関するお願いごとや、感謝が書かれた絵馬がたくさん掛けられていました。スポーツに取り組んでいる方やそのご家族が書かれたのであろう絵馬の多さに驚き、私も友人とともに、互いの家族の足腰がこの先も守られるようにとお参りをしてきました。

今年もにぎやかな蝉しぐれが降り注ぐ季節がやってきます。子どもたちの競技のサポートが日常になっている私にとって、お弁当を作り、朝ご飯を食べさせ、学校に送り出し、応援することは当たり前のようでいて、当たり前ではないということを改めて思う時期でもあります。

長い夏休み、お子さんと東京を訪れる機会があれば、下町散策をしながら健脚の神様に会いに行かれるのもよい思い出になるかもしれません。

【ママ特派員=神奈川県在住・稲葉祐紀子】