揚げ油の温度の計り方
温度計付きの鍋もありますが、ない場合、油の温度はどのように判断すればいいでしょうか。熱した油の中に、水で溶いた衣を一滴落とし、それを浮き上がってくる様子を見ればいいのです。
(1)水は油よりも重いため、衣を入れると、下に沈みます。
(2)加熱され、衣から水分が蒸発するにつれて軽くなり、浮き上がってきます。
この時、温度によって浮き上がり方が下記のように違うため、それを見て温度を判断しているのです。
●低温(150~160℃)
衣は一度底に沈んでからゆっくり浮き上がってくる
●中温(170~180℃)
衣は鍋の底に沈む前に浮き上がってくる
●高温(190~200℃)
衣が油の中に落ちた瞬間に水がパッと蒸発する
また、衣を垂らすほかに、木製の箸や塩を入れて温度を判断する方法もあります。これらも、箸や塩に含まれる水分の蒸発を利用したものです。
しかし、これらはあくまでも経験則に基づくもの。例えば、深い揚げ鍋に油がたっぷり入っていれば、150℃の低温であっても、衣が底に到達する前に浮き上がってくることもあります。料理人の方は常に同じ鍋を使っているので分かるでしょうが、私たちが正確に温度を計ろうとするならば、やはり温度計を使うのが一番です。
油はねが起こる原因
油はねは、水と油の沸点が違うことによって起こります。水が100℃で沸騰するのに対して、油が沸騰するのは200℃。高温の油の中で、水分から生まれた水蒸気は逃げることができず、さらに熱で膨張することで油の中で爆発。それが、油はねの原因です。
油はねを防ぐには、油を高温にしすぎない、水分をしっかり切ることがポイントです。また、油はねが怖いからといってドボンと油の中に落とすと逆にはねるので、油面の近くでそっと入れるようにしましょう。