蒸した、焼いたサツマイモで「栗きんとん」
皮を厚めにむくのが一苦労、水から煮て柔らかくなってから砂糖や水飴で煮詰める…と、きんとん作りは結構な力作業となりますが、今回は、ふかしたサツマイモや焼き芋を使います。
<材料>
・サツマイモ…中1〜2本
・栗の甘露煮…200g
・くちなしの実…1かけ
<作り方>
(1)サツマイモは蒸して皮をむく(蒸すことで皮を簡単にむくことができる。厚めにむくと、より黄色の色を出すことができる)
(2)栗の甘露煮を栗の実とシロップに分ける。シロップにくちなしの実を入れて弱火で3分煮る(これにより黄金色に色を染めることができる)
(3)サツマイモをつぶし、栗と混ぜる(サツマイモが冷えないうちに、ジッパー付き保存袋に入れて潰す)
(4)(3)に(2)のシロップを入れて、お好みの固さに伸ばすし、最後に栗の実をさっと混ぜて完成。
自宅で蒸したサツマイモを作るのに、おすすめなのは炊飯器。モード調節ができるものは「玄米モード」を使うと良いでしょう。炊き上げの電力を低くして長時間炊いていく過程は、まさに石焼き芋と同じ。65℃くらいで働く酵素(アミラーゼ)によって、じっくりと低温で加熱することで、サツマイモ本来の甘さを引き出してくれるのです。甘くねっとりとふかしたイモを使えば、甘さ控えめの栗きんとんの出来上がり。罪悪感なくたくさん食べて、エネルギーを補給することもできます。
作り置き常備菜にもなる「紅白なます」
生の大根やニンジンなのに、しなっと味が染みて食べやすいのは、まさに浸透圧の原理。作り置して常備菜にもぴったりです。
<材料>
・ニンジン…1/2本
・大根…1/3本
・砂糖…大さじ1~2
・酢…大さじ1
・塩…小さじ1
<作り方>
(1)ニンジン、大根を千切りにする(ピーラーで皮をむいても可)
(2)ジッパー付き保存袋に(1)と(2)を入れてもみ込む。
(3)1時間〜半日おいたら完成。お好みでゆずや唐辛子(鷹の爪)を加える。
しわを寄せずにふっくら仕上がる「黒豆」
豆の科学で紹介したように、一気に砂糖を入れると、浸透圧で豆の水分が抜けてしわしわになってしまいます。また、水や調味液で戻さずに煮ると、同じく一部にしわがよって失敗の原因に。おすすめは、煮る1日前に水で戻す代わりに調味液で戻すこと。圧力鍋を使うと時短にもなりますよ。
<材料>
・黒豆…300g
<A>
・水…1200cc
・砂糖…200g
・しょうゆ… 大さじ2
・塩…小さじ1
<作り方>
(1)黒豆を水で洗う
(2)鍋に<A>を入れて煮立たせる
(3)(2)が冷めたら黒豆を入れる。このままひと晩放置し、吸水させる
(4)弱火でコトコト3~4時間煮る(圧力鍋の場合、15分加圧して自然冷却)
おいしさのポイントは火加減「酢レンコン」
レンコンは煮るとほくほく、火を通しすぎなければシャキシャキの食感を楽しめます。理由は、ニンジンの科学でも紹介した「ペクチンの分解」。歯応えが楽しい酢レンコンは、酢の酸性の影響を受けて余計に固くなってしまいます。おいしさのポイントは、火を通しすぎないことです。
<材料>
・レンコン…ひと節(150g)
・水…100cc
・砂糖…大さじ2
・みりん…大さじ2
・酢…大さじ4
・塩…ひとつまみ
・鷹の爪…1/2本
・昆布…5cm角(小口切り)
<作り方>
(1)レンコンを3~4mmに切る
(2)鍋に水、砂糖、みりん、酢、塩と鷹の爪、昆布を入れて煮立たせる
(3)沸騰した(2)に(1)を入れて、再び沸騰したら火を止める
(4)冷めたら保存容器に入れて、冷蔵庫で半日〜寝かしたら出来上がり
合わせだしで本格的な味わいに「雑煮」
だしを丁寧に取ると、一気に本格的な味になります。地方によって入れる具材やお餅の形も様々ですので、ぜひアレンジしてみてください。
<材料>
・昆布…1かけ
・かつお節…10~20g
・大根…1/4本
・ニンジン…1/4本
・三つ葉…1かけ
・かまぼこ…2~3枚
・お餅…1~2個
・みりん…大さじ1
・しょうゆ…大さじ1
<作り方>
(1)鍋に400ccの水を入れ、昆布5cm角を入れておく。昆布が大きくなったら弱火にかけ、沸騰する直前に取り出す。強火で沸騰させたらかつお節を入れ、火を止めてざるでこす。
(2)拍子切りにしたニンジン、大根を入れて弱火で5分煮る。ニンジンは型抜きや飾り切り(ねじり梅)にしても良い。
(3)(2)が煮えたらみりん、しょうゆを入れて味を整える。仕上げに三つ葉とかまぼこ、焼いたお餅を入れて出来上がり。