<栄養素を無駄なく摂る食べ方:野菜編>

さやを開くと、白いふかふかの布団で包まれています
さやを開くと、白いふかふかの布団で包まれています

 空に向かってさやをつけることから、その名がついたソラ豆。グリーンピースなどと同様に、さやから出すと急速に鮮度が落ちます。手間はかかりますが、さやつきを求めたほうが、よりおいしくいただくことができます。

 さやの表面に、うっすらと産毛があるものが新鮮さの目安。豆の大きさが揃っているもの、さやにつやがあって鮮やかな緑色をしているもの、さやの筋目が黒くないものが良品です。

主な栄養素
 タンパク質、糖質のほか、カリウムやリン、鉄などのミネラル、ビタミンB群などが含まれます。未熟なものはビタミンCが多く、成熟するほどビタミンB群の含有量が増えます。糖質の代謝に関わるビタミンB1、脂質、タンパク質、糖質の代謝に関わるビタミンB2が補給できます。

保存するなら
 3~4日ならさやのまま、軽く湿らせたキッチンペーパーなどで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫で保存します。長く保存するには、さやから出して熱湯に5~10秒くぐらせ、湯を切って冷凍。1カ月ほど保存できます。使うときには、凍ったまま熱湯でゆでます。

栄養素を無駄なく摂るコツ
 さやから出すとすぐに硬くなるため、調理の直前にむきましょう。薄皮に包まれているおかげで、水溶性のビタミンやミネラル類の損失が抑えられます。

 新鮮なものは薄皮もやわらかく、好みで薄皮ごと調理して食べることも可能。より多くの食物繊維が摂れます。

 上手にゆでるコツは、豆の成熟度で時間を変えること。「お歯黒」とも呼ばれる薄皮の筋の色が、薄いグリーンのものは未熟、黒に近づくほど熟しています。筋の部分に小さく切れ目を入れ、黒いものから時間差をつけて湯に入れます。

 そのほか、筋の部分に切れ目を入れ、オリーブ油を熱したフライパンで塩をふって蒸し焼きにするのも、手軽においしくいただける方法です。生のまま薄皮をむき、新タマネギやハム、ちくわなどとかき揚げにするのもおすすめです。

【料理研究家、栄養士・今泉久美】