<栄養素を無駄なく摂る食べ方:野菜編>

オクラ

 切ると独特の粘りが出るオクラは、夏が旬。最盛期には一晩で2~3センチも成長するため、大きすぎるものは硬くなっていることがあります。鮮やかな緑色で表面全体が細かい産毛に覆われ、へたが黒ずんでいないもの、切り口が新鮮なものを選びましょう。

主な栄養素
 独特の粘りは水溶性の食物繊維で、胃腸を整える、血糖値の上昇を抑える、コレステロールの吸収を抑えるなどの働きがあります。体内のナトリウム濃度を調整するカリウム、骨の材料となるカルシウムも比較的多く含んでいます。

保存するなら
 ネットに入っている場合は取り出し、ポリ袋に入れて保存します。冷やしすぎるとえぐみが強くなるので、1~2日であれば常温で保存を。収穫してからも追熟し、日にちが経つと種が茶色っぽく変色します。その場合は縦半分に切り、種を取り除くとおいしくいただけます。

栄養素を無駄なく摂るコツ
 産毛が残っていると口当たりがよくないため、調理の前にまな板の上で塩をふって転がし、取り除きます。へたの周りの硬い部分もぐるりとむきましょう。

 生のまま刻んで納豆とあえたり、みそ汁に加えても美味。また、さっとゆでてあえ物やおひたし、炒めもの、薄切り肉で巻いて焼くなど、バリエーション豊かに楽しめます。ヤマイモや納豆、なめこなど、同じように粘りをもつ食材と合わせると、胃粘膜の保護効果がさらに高まります。

 糖の吸収を穏やかにするので、そうめんの時などに豚しゃぶや納豆、薬味といっしょに摂るのもおすすめ。粘りで食べやすく、消化がよいため、夏バテ予防にも効果的です。

【料理研究家、栄養士・今泉久美】