<栄養素を無駄なく摂る食べ方:野菜編>
表面全体を覆ういぼと強い苦みが特徴のゴーヤー。独特の苦みや豊富に含むビタミンCなどによって、夏バテ予防に役立つ野菜です。いぼが密集して張りがあり、全体的につやがあるものが良品です。
◆主な栄養素
ビタミンCの含有量はピーマンと同等。ゴーヤーのビタミンCは加熱によって壊れにくい性質があり、ストレスの軽減やコラーゲンの生成、鉄の吸収促進などに効果を発揮します。苦み成分には、消化液の分泌を促し、食欲を増進させる効果や血糖値を下げる働きがあります。カリウムも多く、苦み成分との相乗効果で老廃物の排出に役立ちます。
◆保存するなら
新聞紙などで包み、涼しい場所で保存します。使いかけのものはわたを取らず、ラップをかけて冷蔵庫で保存します。
◆栄養素を無駄なく摂るコツ
苦みは、縦に切るより横に切る方がやわらぎます。塩もみしてさっと湯通しするとさらにマイルドになりますが、水溶性のビタミンCの損失は多くなります。
代表的なゴーヤーチャンプルーは、油でさっと炒めて歯ごたえを残し、最後に加える卵とかつお節で苦みをコーティングします。チヂミなどに加えて焼くのも、苦さを感じにくくなりおすすめです。同様に、チーズや豚肉などのアミノ酸を多く含む食品と組み合わせると、うま味によって苦みがほどよく抑えられます。
ゴマやピーナツなどビタミンEを含む食品と組み合わせると、ビタミンCとの相乗効果で抗酸化作用が高まり、老化防止や美肌作りに役立ちます。
【料理研究家、栄養士・今泉久美】