<おにぎり今昔物語(9)>
突然ですが、「口内調味」という言葉をご存知ですか? 多くの日本人ができる特技で、「白米とおかずを口の中でじっくり混ぜ合わせながら食べる」という行為です。おにぎりは「口内調味」を前提として作られた料理。だからこそお米の品種と具材の相性にはこだわりたいですよね。
コシヒカリは濃い味、つや姫には塩け
例えば、定番の「コシヒカリ」はなんといってもお米の味が濃いことが特徴。なので、具材にはお米の味に負けない濃い味のものがオススメです。明太子や梅干しなど、主張が強いものを選ぶと“味の相乗効果”が生まれ、より強いうま味を感じることができます。
また、「つや姫」は上質な甘みが特徴の品種。塩昆布や筋子といった塩けの強い具材と合わせると、弱い味を強く感じようとする“味の対比効果”で、よりお米の甘みが感じられるおにぎりになります。
最近人気の「ゆめぴりか」は、さっぱりした口当たりが特徴で、脂分のあるサバやサケなどとの相性が抜群。強い味を抑えてまろやかにする“味の抑制効果”で、こってりした脂を包み込んでマイルドなうま味にしてくれます。
今回は米と具材の相性について紹介しましたが、ほかにもおにぎりにはノリや塩との相性もあります。これらの組み合わせをいろいろと考えることで、楽しみ方は無限大に広がります。お米の特徴を知り、自分だけのお気に入りの組み合わせを探して「おにぎり」を楽しんでみてくださいね。
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