<栄養素を無駄なく摂る食べ方:ハーブ編>
セージは地中海原産と言われるシソ科の多年草です。抗酸化力が強く、古代ローマ時代より薬や儀式に利用されてきました。「長生きしたければ庭にセージを植えろ」というようなことわざが世界にいくつもあるそうです。
セージは500種類以上あると言われています。食べられないものが多く、一般に食用でセージと言えば「コモンセージ」を指します。日本へは江戸時代に伝わったようで、和名は「薬用サルビア」です。ちなみにアロマオイルによく使われるのは「クラリセージ」です。
セージは臭み取りや香り付け、防腐目的で利用されてきました。特に豚肉との相性が良く、ソーセージの語源になったという説もあります。ドライは風味が強いので、使う時は様子を見ながら少しずつ入れましょう。他のハーブとブレンドして使うのもおすすめです。
フレッシュは葉がやや肉厚で香りも強めなので、加熱した方が食べやすいです。乳製品との相性も良く、素揚げや天ぷらにしてもおいしく食べられます。葉先までみずみずしく、ハリがあるものを選びましょう。
◆主な栄養素と無駄なく摂るコツ
セージは苦味もあり、一度に食べる量はあまり多くありません。注目されるのはファイトケミカル(フィトケミカル)です。ファイトケミカルには香気成分や色素成分、苦味、辛味などがあります。
セージのファイトケミカルには強い抗酸化力、殺菌力をはじめ、抗炎症、消化促進、血行促進、収斂作用、脂肪分解、強壮、解熱、鎮静作用などがあります。
殺菌作用が強いため、セージのティーでうがいをすると風邪、歯肉炎や口内炎、口臭の予防、症状の改善が期待できます。ティーカップ1杯分の湯に、ドライなら小さじ1杯、フレッシュなら葉を5~6枚が目安です。水から煮出すか、熱湯を注いで10~15分蒸らすと抽出できます。
足浴に使うと水虫にも良いそうです。古くは床にまいて感染症の予防に使われました。ペストの対策に使われたハーブの一つでもあります。ただし、妊娠中や授乳中の使用には注意が必要です。
期待される健康効果は、風邪予防、ガン予防、鎮痛、消化促進、疲労回復、生活習慣病予防、免疫力向上、アンチエイジング、精神安定などです。
◆保存するなら
保存する場合は、キッチンペーパーなどに包んでからポリ袋に入れ、野菜室に立てて保存します。根元に水で湿らせたキッチンペーパーを当てておくと新鮮さを保てます。グラスに水を入れて生けておくこともできます。香気成分は揮発性で日が経つにつれ減って行きます。早めに使いましょう。
食感や香りは劣ってしまいますが、冷凍もできます。洗って水けをきり、保存用袋に入れて冷凍します。
ドライにする、オイルやビネガーに漬けて香りを移す、刻んでバターに混ぜるといった方法もあります。
【管理栄養士・高木小雪】