＜栄養素を無駄なく摂る食べ方：果物編＞
かぼすはミカン科の果実で、香酸柑橘（こうさんかんきつ）のひとつです。ゆずに近く、ほどよい酸味とさわやかな香りが特徴で、漢字では「香母酢」とも書きます。
すだちと似ていますが、大きさはかぼすの方が2倍以上大きく、テニスボールほどです。熟す前の方が風味が良いとされ、通常は果皮が緑色のうちに収穫されます。熟すと果皮が黄色く、酸味がまろやかになります。
来歴は不明ですが、主産地の大分県では、江戸時代に京都から苗を持ち帰ったのが始まりとされています。大分県原産という説もあります。
果皮にツヤがあり、みずみずしく、重さを感じるものを選びましょう。
◆主な栄養素と無駄なく摂るコツ
かぼすは主に果汁を利用します。果汁にはビタミンCが比較的多く含まれています。酸味のもとは有機酸で、疲労回復効果が期待できます。
香気成分はファイトケミカル（フィトケミカル）で、抗酸化作用があります。鎮静や食欲増進の効果があるので、神経が高ぶって食欲がないときにプラスするとよいでしょう。
果皮にもポリフェノールを始めファイトケミカルが含まれています。果汁を搾る際は、果皮からの汁も搾るとよいでしょう。
期待される健康効果は、食欲増進、疲労回復、精神安定、風邪予防、ガン予防などです。
◆保存するなら
丸のままの場合は、乾燥しないようにポリ袋などに入れ、野菜室で保存します。果汁を搾って瓶などに入れ、冷蔵保存することもできます。
冷凍する場合は、使いやすい大きさに切ってラップで包み、保存袋に入れるか、果汁を搾って冷凍します。製氷皿で凍らせると使い勝手がよいです。
果皮でマーマレードも作れます。
【管理栄養士・高木小雪】
