<栄養素を無駄なく摂る食べ方:種実編>

ぎんなんはイチョウの木になる種子です。イチョウは2億年以上前の恐竜が生まれる前から存在しており、生きた化石植物と呼ばれています。日本へは仏教と共に中国から伝わったようです。

イチョウは雌雄別株で、ぎんなんは雌株になります。果肉はにおいが強く、落ちると地面が汚れるため、街路樹には実のならない雄株が多く植えられています。

表面がなめらかで白く、ツヤがある大きいものを選びます。しっかり実が詰まっている方が良いので、振ってコロコロ音がするものは避けます。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
ぎんなんは炭水化物、カリウム、マグネシウム、鉄、ファイトケミカル(フィトケミカル)などを多く含みますが、大きくても1粒3gほどで、一度に多く食べるものではありません。

中国では昔から、即効性のあるスタミナ食として使われてきました。滋養強壮、抗利尿作用があり、結婚式の朝に新郎新婦がぎんなんを食べる習慣があるそうです。

日本でも民間療法で咳や痰、頻尿、夜尿症に効くとして使われています。特にぎんなんのゴマ油漬けは夜尿症に効くそうです。

生薬名は「白果(はくか)」と言い、喘息、頻尿に用います。イチョウの葉は「銀杏葉(いちょうよう・ぎんぎょうよう)」と呼ばれ、ギンコライドやフラボノイドを含み、血流改善、記憶力アップ、アルツハイマー病や認知症の予防効果が知られています。

ぎんなんはビタミンB6の作用を妨げる物質を含み、中毒を起こすことがあるので、食べ過ぎには注意しましょう。幼児は特に、少量でも症状が出ることがあるため注意が必要です。

果肉にはアレルギー物質が含まれており、かぶれることがあります。

期待される健康効果は、疲労回復、滋養強壮、頻尿対策、風邪予防、ガン予防、生活習慣病予防、血行促進、認知症予防などです。

保存するなら
殻をむいたものはキッチンペーパーに包み、冷蔵庫で保存します。1週間くらいで使いましょう。

殻付きのものは新聞紙などに包んで、冷暗所で保存します。1~2週間ほどで使いましょう。古くなると、透明感のあるきれいな緑色が黄色くなってきます。冷蔵よりも冷凍保存の方が良いようです。

冷凍する場合は、殻付きのまま湯通しするか、殻から出してかためにゆで、保存袋に入れて冷凍します。

【管理栄養士・高木小雪】