<栄養素を無駄なく摂る食べ方:果物編>

ポンカンはインド原産と言われる柑橘です。日本へは明治時代に入って来ました。愛媛、鹿児島、熊本、高知、長崎などの暖かい地方で主に生産されています。収穫後、食べ頃になるまで貯蔵してから出荷されます。

温州(うんしゅう)ミカンと似ていますが、ポンカンの方がやや大ぶりで甘く、濃厚な味わいです。果皮はやや厚みがありますが手で簡単にむくことができ、じょうのう(果肉を包んでいる袋)は薄くやわらかいため、そのまま食べられます。大きめで球形の「高しょう系」と、小ぶりで扁平な「低しょう系」に大きく分けられます。

果皮の色が濃く、みずみずしく、重みを感じるものを選びましょう。ヘタが小さい方が甘い傾向にあります。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
栄養素は温州ミカンとほぼ同様で、βクリプトキサンチン、パントテン酸、ビタミンCなどが多く、ペクチンも含まれています。βクリプトキサンチンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。

果皮やじょうのうの白い筋に多く含まれるヘスペリジンには、抗酸化作用のほか、毛細血管を強くする作用があり、脳の神経細胞死の抑制や、脳内の酸化ストレス軽減などが認められています。ポンカンのじょうのうは食べやすいので摂取が容易ですね。

柑橘類に共通ですが、果皮を湯船に入れると血行促進、疲労回復、リラックスなどが期待でき、湯冷めしないと言われています。

期待される健康効果は、風邪予防、ガン予防、生活習慣病予防、認知機能低下抑制、骨粗しょう症予防、美肌、冷え性改善、整腸作用などです。

保存するなら
ポンカンはあまり日持ちしません。乾燥しないようにポリ袋などに入れて冷暗所で保存し、1週間ほどで食べましょう。冷蔵する場合はポリ袋などに入れて野菜室で保存します。

温州ミカンのように、冷凍ミカンにすることもできます。

【管理栄養士・高木小雪】