<栄養素を無駄なく摂る食べ方:果物編>

キンカンは中国原産と言われるミカン科キンカン属の果実で、一般的なミカンとは別の分類になります。果皮に甘みがあり、果皮ごと食べるのが特徴です。日本へは江戸時代に入ってきたと言われ、主に宮崎、鹿児島などの暖かい地方で栽培されています。

果皮の色が濃く、ツヤとハリがあり、重みを感じるものを選びましょう。ヘタが緑色の方が新鮮です。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
キンカンはビタミンC、カルシウム、食物繊維などを多く含んでいます。果皮ごと食べるため、生の果物の中では最もカルシウム、水溶性食物繊維を効率よく摂ることができます。

同様に、果皮やじょうのうの白い筋に多いフラボノイドの一種、ヘスペリジンも摂れます。ヘスぺリジンには、抗酸化作用のほか毛細血管を強化する作用があり、血圧の正常化、コレステロール値や血流の改善、抗アレルギー、発ガン抑制などが期待できます。

果実を「金橘(きんきつ)」と言い、鎮咳、健胃、疲労回復などの作用が知られています。キンカンの入ったのど飴があるように、民間療法でも古くから咳止めやのどの痛みの緩和に使われてきました。

期待される健康効果は、風邪予防、ガン予防、美肌効果、生活習慣病予防、骨粗しょう症予防、疲労回復、冷え改善、抗アレルギー、食欲増進、整腸作用などです。

保存するなら
キッチンペーパーなどに包んでから乾燥しないようにポリ袋に入れ、冷暗所か野菜室で保存します。1~2週間ほど持ちます。

冷凍する場合は、ヘタと種を除いておくと食べるときに楽です。1カ月ほどで使いましょう。

甘露煮にすると長期保存ができます。苦味があるのでアク抜きをしましょう。

【管理栄養士・高木小雪】