ジュニアアスリートの要望で一番多いのが「体が大きくしたい」「背を伸ばしたい」。身長を伸ばすためには何を食べたらいいのか、この食品は食べて良いのか、悪いかなどの質問を受けることが多いのですが、まず知るべきことは「自分がどんな食生活をしているのか」ということ。現状把握と自己分析をすることです。その上で、目的や症状を照らし合わせてみると、どうすればいいのかが見えてきます。

しかし、今の食生活を大きく変えるのは難しいことです。その人の目的や競技タイプを考慮し、タイミング、栄養素の過不足などを修正する方法を取ります。

「少し頑張ればできること」を継続

私がポイントとするのは「少し頑張ればできること」を探すこと。選手だけでなく、支える家族も負担なく実施していける方法を考えていきましょう。負担が大きなことは続けていけません。

さて、今の自分を知るための方法でおすすめなのは、スマートフォンなどで食事写真を撮っておくことです。人に見せるものではないので、「記録」というイメージ。主食、主菜、副菜、汁物、乳製品、果物といった食事の基本形を覚えておけば、それを見返すことで「最近肉ばかりだな」「野菜が少ない」「外食が続いた」「炭水化物の補食ばかり続いた」といったように、感じることがあるでしょう。

他人と比べず自分と向き合う

成長期のアスリートは、全体的にエネルギー不足が多い傾向にあります。身長を最大限に伸ばしたくても、体重を増やしたくても、食事量が少なければ、目的を達成できません。「食べても太れない」と悩む方がいますが、今までの不足を補うとともに、成長速度に必要な量がとれていないということ。消費量と筋肉量が多い選手の場合、基礎代謝量が多くて努力が見えにくいこともあるでしょう。

焦らず、体質だとあきらめずにまずは継続することが大切です。決して他人と比べず、自分自身を見つめていきましょう。

サポートしている藤枝東高サッカー部の食トレプロジェクトでは、血液検査や体組成計で定期的に計測を実施。また、体調や疲労の度合い、痛みなどを記録し、自分を見つめるクセをつけるように指導しています。「食生活の問診票」があると、アドバイスも的確なものになります。

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