小中高校生の夏休みは、今年は例年の半分ほどの期間になっているようで、「慣例行事」として楽しみにしていた遠征や合宿も実施することができません。いまだ収まらないコロナ禍の中で、指導者や保護者の方々が選手たちのために何をしてあげられるのかを考え、工夫している様子を目の当たりにして頭が下がる思いです。

「短いけれど、夏休み。しっかり食べて、思いっきりプレーしよう!」と、暑い夏を元気いっぱいに過ごして欲しいと思っていたのですが、食事が思うように食べることができない高校生選手もいます。例年なら肉体的な疲労、睡眠不足が原因のことが多いのですが、今年は傾向が違います。多くのことを抱えて毎日、トレーニングを続けているため、「精神的な疲労」が大きいようです。

自粛期間が長く、例年通りのトレーニングをしていないこともあり、自分が思っているようなプレーができない焦り
コロナ禍での今後への不安
進路など、競技以外の悩み

このように精神的ストレスから、食べることへの意欲も低下してしまっています。

進路など競技以外の悩みも

先日、寮生活を送る高3選手がつぶやいた「進路のことで、いっぱいいっぱいです」という言葉が印象に残っています。学校見学や、練習会に参加することが思うようにできない状況で進路選択をしなければならないことから、本人だけでなく、ご家族の皆さんも大きな不安があると想像します。

何なら食べられそう?
きれいな盛りつけにしたらどうかな?
寮の食事の中で、何が食べられた?

そんな会話をしながら、食欲不振とストレスがあるので、ビタミンCの摂取をすすめたところ、お母さんからフルーツを送ってもらったようです。やはり、家族のサポートは絶大です。

今回は、食欲が落ちている時でも食べやすいビタミンCたっぷりの昼食レシピ「レンジで作れるお一人様用簡単ゴマだれうどん」を紹介します。

朝、お弁当箱にうどんと具をセットして、冷蔵庫に入れてから練習に行くと、帰ったらそのまま食べることができます。夏休み中、1人でお留守番するお子さまにもぴったりです。

このレシピでは、キュウリ、ミニトマト、サニーレタス、パプリカ、ゆでエビを具に使っていますが、追加するなら、冷凍のブロッコリーやオクラを電子レンジで加熱したもの、温泉卵などがおすすめです。具をそろえることで彩り華やかになり、食欲も沸くようになるでしょう。

ただ、これだけではエネルギー不足です。おにぎりを2~3個用意しておきましょう。食欲が低下している時は、シリアルとヨーグルト、バナナなどでもOKです。

この夏、おいしく食べることで体と心が整い、彼女たちの笑顔をたくさん見られることを祈るばかりです。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・青島千恵