アスリートの食事は「主食・主菜・副菜・汁物・果物・乳製品」をそろえるのが基本。しかし、アスリートは忙しいし、支える親も忙しい。最適なタイミングを選んで食べよう、作ろうとすると、お金も時間も工夫も必要になります。

でも、すべては自分や支えるアスリートのため。ただし、皿数を増やすことが目的ではありませんし、すべて手作りにする必要もありません。日々の練習に耐えうる心と体を養うための食事が整えばいいのです。

今回は、毎日の食事作りの肉体的、精神的負担がぐっと楽になるアイデアを紹介します。決して「手抜き」ではありません(笑)。アスリートの食事作りを継続していくための知恵です。

1、手軽に作ろう

たくさんの皿数を並べるよりも、1つにまとまっていた方が、実は食べる方も楽。洗い物も最小限にできるなら、ワンプレートが最適です。

2、市販品にひと手間

食の仕事をし、料理が得意な私でも、すべて手作りは難しい毎日。アスリートは遠征や試合などが頻繁にあり、急なスケジュール変更も多いのです。1人暮らしでは特に、食材を購入してもなかなか使いきれなくてストレスになることもあるでしょう。

それなら市販品を利用して一手間加える栄養バランス調理法を試してみませんか。簡単に作れて時短にもなります。

炊き込みご飯=市販の「炊き込みご飯の素」に、冷凍のミックスベジタブルや鶏肉を加えて炊く。

焼きそば=ざく切りキャベツや冷凍シーフードを炒めてまぜる。インスタント焼きそばなら、この具を麺の上に乗せる。

ピザ=ピザはチーズを使っているので、プラスするのは野菜だけでOK。最も簡単なのは冷凍ピザにスライストマト。

チャーハン=冷凍のミックスシーフードで使う。

お好み焼き、たこ焼き=子どもと一緒に作れたり、仲間と一緒にワイワイできるのもいいですね。お好み焼きに冷凍コーンや枝豆などを入れると、子どもが好きな味になる。

麺類=そうめんやパスタやうどんは、刻んだキャベツなどの野菜も一緒にゆでる(麺と野菜のゆで時間が異なるので、時間差でゆでること)。野菜入り麺類を器に盛り、ツナ缶やサバ缶などを乗せると抜群においしくなる。

3、買うものを選ぶ

冷凍食品缶詰はいつでも、私たちの強い味方です。私が常備しているのは、肉類や焼き魚用の冷凍。イワシのかば焼きやサバの水煮缶、ツナ缶はお弁当にも使います。

これらは季節を選ばずに手に入れることができ、保存が効き、価格も安定しています。強い塩分や糖分で味付けをしていないものが多いこと、高温殺菌するレトルトや缶詰めはチルド品に比べて食品添加物が少なめの商品が多いので、食品添加物を気にする人にもおすすめです。

また、常備野菜として使えるのがトマト。今では年間通して流通しており、栄養成分も豊か。何より野菜の中では特別といってもいいくらいにうま味成分(アミノ酸類)を豊富に含んでいるので、欧米ではだしとしても使われています。トマトを加えると、料理の味がグレードアップします。

食べ物として重要なことは、栄養成分だけではありません。手軽さ、経済面、そして何よりもおいしいことが大切です。

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