先日、サポートしている高校サッカー部の試合を見にきていたJリーグのスカウトの方が、選手の何を見ているのか、話してくれました。一番チェックしているのはもちろん、技術やセンスですが、今後どのくらい伸びしろがあるのか、将来性を見ているといいます。

また、中高生の時期にしっかり体作りができているのか、胃腸の強さ、ケガを誘発してしまう可能性など食意識や自己管理能力も問われています。たくさんのプロ選手を見てきた方には、見れば分かってしまうのだと確信しました。

食事を味方にする選手はケガ少ない

私は、小学生からトップアスリートまで、チーム単位でのサポートをする中でたくさんのアスリートと保護者を見てきました。幼いときは、親の出したものを食べていればよかった選手が、自己管理ができるようになるには、自分に何が必要なのかを学び、自分のこととして取り組む必要があります。ケガが少なく、仮にケガをしても早く治り、成績にもムラがなく安定感のある選手は、必ずと言っていいほど食事を自分の味方にしています。

個人的なサポートは、この10年で50組以上になります(マンツーマンサポートのため、同時期に見られる選手は6人までと決めています)。アマチュアでは中学生から大学生、競技はサッカー、野球、ラグビー、陸上長距離・短距離、テニス、水泳、フィギアスケート、新体操、体操、スケートボードなど多岐に渡ります。

依頼を受けて面談し、選手本人がやる気になった場合のみお引き受けしています。選手、保護者(または妻)、私の3人で情報共有のためにLINEや専用アプリでグループを作り、日々の体重や食事写真や練習内容などを共有して、助言をしていきます。

選手が主体、保護者は傍観のスタイル

私のやり方は、選手が主体的に自己管理していくように促す方法です。中学生以上であれば、選手が私にコンタクトをとり、保護者はあくまでも「見ているだけ」の傍観者に徹してもらいます(口出しまでする保護者の場合は、キツく注意いたします)。選手は1人1人違い、支える家族の関係性もそれぞれなので、最善の距離感と支援方法を考えて動きます。

栄養の知識を得て、実行することは大切ですが、私たちの体はロボットではないので、何をどれだけ食べたらこうなる、という単純なものではありません。しかし、保護者が我が子を思うがあまり、子どもへの押し付けになっていたり、ネットなどで不確かな情報を得すぎて不安になり、「こうらしいよ」「これがいいらしいよ」と一貫性のない情報を提供してしまったりすることが逆効果を生んでいることもあります。都合のいいところだけをつまみ食いした知識や情報は、かえって(親子の)心身のコンディションを崩すことにもなりかねないのです。

ちょうど思春期、反抗期にあたるのもジュニアアスリートの特徴。同じ方向を向いているのにうまくいかない場合は、親の思い、子の思いの歯車が外れてしまっていることがほとんどです。親子で難しい場合は、専門的知識を持ち、かつ「仲介役」になれる管理栄養士・公認スポーツ栄養士をぜひ頼ってください。選手や保護者の気持ちに寄り添ってサポートし、目標に向かって伴走型で支援いたします。

次のページこれさえあればご飯がすすむ「無限ふりかけ」の作り方へ