小さな子どもの野菜嫌いの対策として「家庭菜園で育ててみては?」という定番のアドバイスがあります。家庭菜園だけでなく、保育園などでの栽培も効果があるようです。
とはいえ、野菜嫌いは子どもだけでなく、大人も含めた「永遠の課題」です。ずっと食べないでいたものを、大人になって急に食べられるようになるはずがありません。
藤枝市の「地域の食と農を知る研修会」に参加
そんなことを考えていた先日、JA大井川主催(藤枝市共催)の「地域の食と農を知る研修会」に参加しました。藤枝市には地産地消条例というものがあり、地元の農産物を市民に知ってもらおうとする動きがありますが、この研修会では現場視察と生産者の話を直接聞くことができるとても貴重な会でした。
まず、ミニトマトを作っているビニールハウスに足を運びました。真っ赤に実っている摘み立てのトマトは驚くほど味が濃く、甘くておいしいものでした。ハウスの中でも朝日が良く当たる場所が一番おいしいとのこと。こんなに甘いのに、「今日は天気が悪いから糖度がのっていない」と生産者の方が言うので、お天気が良い日はどんなに甘いのか、食べてみたくなりました。
中高生に「苦手な食材」をたずねると、残念ながら断トツでトマトが上がってきます。「このミニトマトなら、フルーツのような感覚で食べてもらえるのでは」と思いましたが、味が濃いということはトマト感も強いので、やっぱり苦手かもしれません。
次にキャベツ畑に向かいました。この畑のキャベツが収穫できるのは、1月下旬から2月頃。なるべく農薬を使わず、水を与えすぎず、丁寧にキャベツが丸く育っていくために、たくさんの外葉が大きく育っているそうです。その他、キュウリやカリフラワー、ブロッコリーを栽培している農園、リーフレタスや小松菜などを水耕栽培しているビニールハウスを見学し、生産者の細かい作業や気配りでおいしい野菜が作られていることを再確認することができました。
野菜が苦手な中高生が、このように非常に有意義な体験、栽培農家との楽しいひと時をもったらどのように感じ取ってもらえるのでしょうか。苦手だとしている野菜を「ちょっと食べてみようかな」と思ったり、生産者の笑顔を思い出して「一口だけでも食べてみよう」とチャレンジしたりしてくれるでしょうか。
藤枝市食育ネットワークの委員として、学校給食で地元の野菜を使用する仕組みづくりを提案してみましたが、簡単にはいかないようでした。ただ、栄養教諭の方とも意見交換ができ、スポーツの現場でも、給食の現場でも、同じ悩みや課題をもっていることを共有できました。
研修会の最後に、地元の野菜を販売しているJA大井川まんさいかんで野菜を購入して帰り、彩鮮やかな「クリスマスサラダ」を作ってみました。ブロッコリー、リーフレタス、ルッコラの緑色にミニトマトの赤い色、カリフラワーの白色もアクセントになります。
野菜が苦手な選手でも食べてもらえるようにと、ドレッシングにカレー粉を使いました。これにツナ缶、ゆで卵、ソーセージなどを加えるとタンパク質も摂取でき、味も彩りもさらにアップします。
新鮮な旬の野菜はおいしさも栄養価も高まっています。野菜嫌いをそのままにせず、体験やふれ合いといったことから克服できるといいなと思っています。