中学生年代の栄養補給は、「何を」の前に、何でも良いから「食べるべきタイミングに、必要量を食べる」ことが重要です。つまり、成長期の選手にとって、部活動前の補食は食事と同じくらい大切で、私は栄養講座でも常にそのことを伝えています。
しかし、多くの公立中学校では、部活動前の補食がとれないのが現実です。
校則でスポドリかゼリーのみ
先日、浜松市内の小中学校の養護教諭や運動部の顧問の先生方に「成長期の栄養・食事の大切さ」を伝える機会がありました。先生方に「部活の前に何か食べることが許されていますか」と聞いたところ、パンやカステラなどを食べることができる学校はほとんどなく、スポーツドリンクかエネルギーゼリーなら可能だという答えをいただきました。
このように補食の大切さを伝え、先生方に頭で理解してもらっても、学校の規則によって平日の練習前のエネルギー補給がとれないこともあります。私たち栄養士は今後も学校関係者に、子どもたちが校内で補食をとることができるよう話をしていきますが、実現するまでに時間がかかるかもしれません。
夕食を早くバランス良くでフォロー
給食でしっかりエネルギー補給ができていない、部活前後の補食がとれないとなると、帰宅後の夕飯を少しでも早く、バランスよく食べることが必要となります。特に、これから気温が上がり、夏の大会に向けて練習量も増えていく時期は、「疲れ果てて夕飯を食べずに寝てしまった」「食べられる元気がなかった」という選手が多くなります。
そんな時は、食べやすい物を「必要量」とることを最優先にしてください。例えば、オムライス、カレーライス、3色ご飯などの主食と主菜が一緒にとれるものと、「スプーンで食べられる夏野菜サラダ」。これにスープ、牛乳、果物をつければ、バランスの良い食事の完成です。
「スプーンで食べられる夏野菜サラダ」はトウモロコシ、枝豆をメインにして、キュウリやカニかまぼこを同じような大きさの角切りにし、ツナ缶と調味料であえたものです。大きめのスプーン一口で色々な食材を口にできます。
旬のトウモロコシをスプーンですくって
このトウモロコシは、地元のJA直売所で見つけた「甘々娘(かんかんむすめ)」を使用しました。甘味が強く、「生でも食べられるトウモロコシ」と人気の品種で、出始めのためまだ小さい物でしたが、とっても甘くておいしかったです。初夏はトウモロコシの旬ですが、缶詰のトウモロコシと冷凍枝豆を使えば、1年中作ることができます。
生のトウモロコシは薄皮を1枚残してラップで包み、5分程度電子レンジで加熱するだけでおいしく食べられます(機種により時間の調整が必要です。様子を見ながら加熱してください)。朝採れの甘いトウモロコシの味は格別です。