忙しい朝は、選手も保護者も一緒ですね。朝からゆっくり、家族でだんらんしたいものですが、現実はそうはいかないでしょう。

 朝食の要望として、選手からはコンパクトで食べやすいものを、保護者からは簡単に作れるものをよく聞かれます。

 朝起きられない、思うように食べられない、といった悩みを持つ選手も多く、そういった選手にとっては、朝食で多くの品数、皿数を見ただけでテンションが落ちてしまうこともあります。

 主食、主菜、副菜…というのは、バランスの良いメニュー作りの基礎として分かりやすいのですが、前回のコラムやレシピでも紹介したように、必要な栄養素が取れれば、そのような出し方をする必要はないのです。

 特に食欲がない選手や、忙しい保護者にとっては、栄養素がひとまとめにとれるレシピがあれば食べやすく、片付けも楽。食事は継続が大切で、いかに毎日できるかがキモですから、賢く楽をしたいものです。

選手のためのおにぎらず
選手のためのおにぎらず

 さて、今回紹介するレシピは「おにぎらず」。おにぎりの場合、米から多くのエネルギー(糖質)はとれますが、身体づくりの栄養素(特にタンパク質)がとりにくいことが欠点でした。具をサケやから揚げなど肉や魚、しかも大きめのものにすることでその欠点をなくそうとしましたが、具がはみ出して食べにくく、見た目にも残念な感じでした。

ポイントは肉、魚などタンパク質の具

 その点、「おにぎらず」の場合は、海苔でご飯と具を包み込むので、おにぎりよりも具を入れやすいのが利点です。

 今回は、卵、ハム、野菜といった朝食で主菜や副菜として出てくるものを具にしました。このようにコンパクトになるので、食欲のない選手にとってはいつもの量もすんなり食べられますし、目先を変えることで食事を楽しめます。

 おにぎらずのポイントは、タンパク質の具を挟むこと。卵やハムだけでなく、チーズや魚肉ソーセージ、カニ風かまぼこ、納豆などもタンパク質ですから、ぜひ楽しんでアレンジしてみましょう。不足しがちな野菜は炒めることで、より多く摂ることができるという効果もあります。余った野菜はチャーハンだけでなく、このような使い方もあるので、参考にしてみてください。