夏のこの時期に栄養セミナーを行うと、多くの選手が意識していることとして手を挙げるのが「塩分」です。そこで今回は、塩分がとれるレシピを紹介します。

塩やしょう油などを使えば簡単にとれるので、日本人はむしろ塩分を控えた食事をすることの方が難しいと、以前のコラムでもお話ししました。塩分を多くとるには、例えば、納豆のパックについてくるタレではなく、薄口しょう油を使った方が効果的です。しょう油は濃口よりも薄口の方が、塩分が高いのです。

注意したいのが、野菜などに多く含まれるカリウムとの関係です。とりすぎた塩分(ナトリウム)はカリウムによって排泄が促されるというのを聞いたことがあると思います。

今回のレシピ「とろとろ冷奴」は、そのカリウムの量を抑え、塩分量をキープするために、ナスを水にさらした後に、しっかり塩でもむことをポイントにしています。ワカメも、乾燥ではなく塩蔵を使っているのは、そのためです。

また、木綿ではなく絹ごし豆腐を使うことで、ビタミンB群をとりやすくもしています。ショウガとの組み合わせで吸収を高め、効果もアップします。

ちょっとした食材の選び方や調理法などによって、同じようなレシピでも体への効果が変わることがあります。今回は冷ややっこにかけていますが、ご飯などにかけるのもおすすめ。ぜひお試しください。

管理栄養士・川端理香